12月20日(木)に開催される「BEAMS × Mercedes-Benz Supported by HOUYHNHNM」のイヤーエンドパーティ。このパーティに、アートで華を添えてくれるのが、合成写真の旗手としてデジタル黎明期より活躍する写真家P.M. Kenさんと、精微なコラージュアートで活動の幅を拡げているアーティスト河村康輔さん。お題はただひとつ。「Aクラスを使う」ということだけ。果たして両氏は、Aクラスになにを感じ、どう作品に落とし込んでいったのか。その制作背景をレポートします。
大学時代、工業デザインを専攻しながらも、カメラマンアシスタントとして4年間アルバイトをしていたP.M. Kenさん。大学卒業と同時に、自然の流れで写真家として独立。そこからオリジナリティを追求するようになり、たどり着いたのが、デジタルによる合成写真でした。
「ぼくが写真家としてデビューした1990年代って、カラー写真はラボに出してプリントするのが普通だったんです。もちろん自宅でできる機械もあったんですけど、駆け出しだったので買えるわけもなく。暗室で、液体につけて現像することもできるのですが、狙った色を再現するのが難しい。そんな時に、アメリカでは『Mac』で『フォトショップ』を使って、カラー写真を現像していることを知ったんです」
その後、いまとは比べものにならないほど高級品だった「Mac」を中古で買い、カラー写真を現像していたP.M. Kenさん。でも、当時のデジタル画像は、アナログには到底及ばないクオリティでした。
「解像度がとにかく低くて、アナログの方が圧倒的にきれいだったんですよね。そこで、アナログの真似をしていてはダメだと感じて、合成をするようになっていったんです」
「クルマは目線の高さで見るのが一番きれいだと思うんですけど、上からのほうがスケール感は出る。なので、今作はあえてAクラスを上から撮影しました」
「今作は、CGは一切使用せず、カメラで撮影したものだけで組み立てています。だから、よく見ると、周りの背景はビルがとぐろを巻いているだけですし、窓を見ると反対側の建物が写り込んだりしています。今回のAクラスも最先端なテクノロジーを駆使していますが、人間ありきですよね。そんな雰囲気も出したかったんです」
上記2作品は、1月上旬(仮)まで「メルセデス ミー 東京」にて、200cm×107cmの大判サイズで展示されています。細かい部分までみると、新たな発見があるはずです。最後に、ゲレンデヴァーゲンが愛車のP.M. Kenさんが思う、新型Aクラスの印象を伺いました。
「今までのクルマとは一線を画していて、ハイブリッドカーが登場したときと同じ印象を受けました。今後は各社が、学習機能を搭載したクルマをつくっていくんでしょうね。あと、いいクルマの基準は、いくらでも走れちゃうってところだと思っていて、その点Aクラスは乗っていてもストレスがない。疲れもしない。MBUXの機能にフォーカスされがちですけど、乗り心地もいいですよ」
代表的なコラージュの作品をはじめ、アートディレクターとしても手腕を振るうアーティスト河村康輔さんですが、10月に発売された「ビームス」と〈メルセデス・ベンツ〉のアパレルアイテムを、真っ先に買いに走ったといいます。その直後、図ったかのように、今回の作品制作の依頼を受けたのだそう。
「仕組まれてるんじゃないかと疑うほどタイミングがよかったですね(笑)。僕も、免許を取りたての頃に、縁があって80年代のメルセデスを乗っていたこともあり、迷わずお受けしましたけど」
河村さんの作品は“コラージュを用いてAクラスをラッピングする”というもの。河村さんの代名詞である「シュレッダーで裁断したイメージ画像を、ずらしながら再構築する手法」が用いられています。
「打ち合わせ時に見せてもらった新型Aクラスのカタログの中に、数枚イメージカットがありました。一般的にクルマのカタログというと、クルマが街中を疾走しているシーンのカットがあると思うのですが、なぜかプールサイドにクルマがあるという穏やかな、まるで絵画のような写真だったんです。僕が普段コラージュの手法として取り入れているシュレッダーを使用することの特徴として、写真を絵画のように見せるということがあります。そこがリンクして、これを使うことに決めました」
コラージュとは、一般的には複数の素材を組み合わせる創作技法。ですが、河村さんのそれは、1枚のモチーフしか使わない。シュレッダーで細かく裁断された紙を、元の形より少しだけずらし、再構築していくのです。
「元の画像は同じなのですが、ルーフとリア部分は先行して、PC上で画像を作りました。でも、ボンネットは直に貼っていかなければいけない。正直こんなに大きな作品を作ったことがなかったので、どう進めていけばいいのか、考えてるだけで4日ほど費やしてしまいました…。で、いまやっと半分ほどまでたどりつきましたね(取材時)」
河村さんは新型Aクラスにどんな印象を抱いているのか。
「パソコンの中に乗るような感覚でした。走らなくても、車内のシステムだけで十分楽しめます(笑)。トラックパッドがあって、運転しながら声でナビの操作ができたり、電源に接続せずに置くだけで携帯が充電できたり。クルマってここまできたんだって思いましたね。ただ、宣伝を抜きにして、価格帯にも衝撃を受けまして、本気で購入を迷っています。本気で(笑)」
写真家とアーティスト、そしてAクラス。3者が織り成す作品は、「メルセデス ミー 東京」で1月上旬(仮)まで展示予定です。
<会場>
Mercedes me Tokyo
住所:東京都港区六本木7-3-10
www.mercedesme.jp
12月20日(木)に開催されたイヤーエンドパーティ「Hi, Beams」。大いに盛り上がった1日の様子をレポートします。
ビームス内でも大のドライブ好きとして知られる敏腕男性プレス&女性ディレクターに聞いた、いますぐ行けるドライブコース。
ヴィンテージやオールドモデル好きな空間・プロダクトデザイナー、二俣公一さんが紐解く、新型Aクラスの機能性とデザイン性について。
鎌倉に住んで10年。ビームスのメンズカジュアル部門のディレクターを務める中田慎介さんが語る、新型Aクラスのある暮らしとは。
P.M.Kenさんと河村康輔さん。両アーティストがAクラスを題材にアートを作ると、いったいどんな作品が生まれるのか。
自身のバンド、ペトロールズの歌とギターを担当し、様々なアーティストのサポートやプロデュース業も行う神出鬼没の音楽家・長岡亮介さんのプレイリストトーク。
新型Aクラスにまつわる10の魅力。
ラジカセから流れてくるMCの声は、いつも一方通行だった。ハガキやFAXを送って、運が良ければこちらのリクエストに応えてくれたけど、基本的にはいつも誰かの好きな曲をジッと聴いているだけ。でも、「MBUX」はちがう。「ハイ、メルセデス」の一声で、音声入力に対応。運転中、プレイリストにあるお気に入りの曲をリクエストすれば、その曲をすぐに流してくれる。もちろん道案内や、空調などの車内環境にもバッチリ対応。ドライブをよりスムーズなものにしてくれる。
優れたデザインには、それに見合うくらいの使える機能が伴っていて欲しい。たとえば家にある椅子。かっこいいのは当たり前で、犬もぐっすり眠っちゃうくらいの快適性が欲しい。新しいAクラスはもちろんその両方を兼ね備えている。ブラックを基調に、アクセントとしてシルバーがあしらわれたインテリアは、クール&ラグジュアリーな装い。シートの座り心地もストレスフリーだし、従来に比べてスペースが広く感じるように設計されているので、快適性も申し分なしなのだ。
コートを颯爽と駆け巡り、貪欲にポイントを獲得したマイケル・ジョーダン。その手にボールが渡れば、誰も彼を止めることができなかった。バスケットボールのコートは決して大きくはない。だからこそ、全力のダッシュと機敏な動きが求めらる。新しいAクラスのエンジンは、より軽量になりながらも排気量を削減し、エンジン騒音も低減。またトランスミッションもシフトの作動が素早く、変速もスムーズ。つまり、ジョーダンに負けじと劣らないスポーティな走りが特徴なのだ。
自動運転技術は人々の安全にも向けられている。高速道路での渋滞の最後列に接近したときや、交差点では歩行者や車両の飛び出しに対して自動でブレーキをかけてくれて、なおかつ回避したあとにクルマが車線内に入るように運転をアシストする機能まである。万が一衝突したときに備えて屈強な設計になっていると同時に、大きな衝突音による耳への負担を減らすシステムも搭載。これらは歩行者や周りのクルマだけじゃなくて、自分自身をも守ってくれるということ。
クルマに乗ってどこへ行こう? 家族と小旅行、あるいは恋人と買い物などなど。クルマがあれば行動範囲が広がるが、いずれにせよ荷物は多くなる。そんなときはファッションにもアウトドアにも通用する、フィッシィシングベストのような万能で高い収納力が必要だ。でも大丈夫。新しいAクラスには、広く改善されたラゲッジルームが存在する。奥行きも幅もプラスされ、なんと29L分の増量に成功し、370L(※欧州参考値)もの容量を誇る。これなら仲間とのゴルフだって安心だ。
幼い頃、夢の中でいつもドライブをしていた。助手席には一緒に眠るぬいぐるみがいて、ラジオをかけたり、空調を調整してくれた。新しいAクラスに搭載された「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」も、そんなドライブの相棒役を務めてくれる。インパネ横のディスプレイは、スイッチやパッドではもちろん、スクリーンに直接タッチして操作することも可能。しかも、ユーザーの行動を学習し、行きたい場所、好みの曲の提案をしてくれる頼れるヤツなのだ。
自動お掃除ロボのルンバの誕生には多くの人々が驚いた。地雷探査機のノウハウを家庭に応用し、文字通り“自走”で掃除してくれる便利なロボ。自走といえば最近ではクルマだってオートマチックなシステムを持ち、ドライブのアシストをしてくれる。しかも、その機能はどんどん向上しているのだ。たとえば車線検知機能では、消えかかった不明瞭な車線も検知してくれたり、高速道路で渋滞にハマった場合は、前走車に合わせて自動で発進してくれる。まったく便利すぎる世の中だ。
暗闇のなかを運転していると、ピカッとリフレクターが光り、そこに何かがあることを知らせてくれる。だけど、新型Aクラスの場合は暗闇じゃなくても(もちろん暗闇でも)センサーでさまざまなものを感知し、ドライバーに知らせてくれる。たとえば道路の標識をフロントガラスに付属されているカメラで読み取って注意を促してくれたり、手ばなし運転を検知するとゆるやかに減速してくれたりなど。でも、くれぐれもセンサーに頼りすぎないように注意したいところだ。
90年代に夢中になって遊んだゲームボーイ。持ち歩けるゲーム機なんて、当時は画期的すぎた。でも、いまはどうだろう? ゲームボーイはもはや“レトロ”に分類され、家でも外でもみんなスマホをいじっている。いろんな技術やテクノロジーが街中にあふれているのだ。スクリーンをタッチしたり対話しながら操作する「MBUX」や、さまざまなオートマチックシステムを搭載した新型Aクラスは、ある意味では最新の装備をまとった新しいガジェットのようなものなのかもしれない。
女の子は美しいラインのデザインに弱い。きっと指輪を欲しがるのもそのせいだ。淀みなく流れるような流麗なデザインは、身につけていても気持ちよさを感じる。だから、Aクラスのエクステリアにもうっとりするにちがいない。風の流れを計算した角のないラインと、品があってスマートなルックス。それにダイナミックさと、どこかスポーティな要素も加わっている。優しさと力強さが調和したデザインには、きっと生粋のクルマ好きですら思わず感嘆の声をあげてしまうだろう。