〈メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)〉が発表した、新型Aクラスに搭載されるメルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス(以下MBUX)。スマートフォンやパソコンなどに搭載されることが多くなった、ボイスコントロールを使用した新世代のユーザーインターフェイスは、ドライバーはもちろん、乗客全員の車内での体験をまったく新しいものに進化させてくれます。 この“My Playlist“では、ミュージシャンやDJなどの有識者の方々に、ドライブにまつわるシチュエーションをテーマに、自分自身が聴きたい楽曲をセレクトしてもらいました。最終回となる第5回は、ペトロールズの歌とギターを担当する長岡亮介さんが登場。あまり世に出ていない貴重なプレイリストを通じて、長岡さんの意外な一面に迫りました。愛してやまないクルマのお話も盛りだくさんです。
はじめてのドライブだから、
色々な自分を知ってもらいたい。
今回はドライブするときに聴きたいプレイリストを作って頂きました。どのようなテーマで選曲されたのですか?
女の子とイヤホンを片耳ずつで聞くような(笑)。そういう甘酸っぱいイメージが浮かんで。“はじめてのドライブ” ってことでいいですかね。選曲は初々しくないし、めちゃくちゃですけど。
長岡さんのルーツになっているカントリーやブルーグラスの曲が少ないですね。逆にPuma Blueのような若いアーティストの曲が入っていたり。
恥ずかしいですね! 心の中を見られているみたいで。そりゃあ最近の曲も聴きますよ、聴いちゃダメですか?(笑)
いえいえ! でも意外だなと思いまして。
テーマがはじめてのドライブだから、自分を知ってもらいたいというか。色々な側面の長岡亮介を並べてみました。どの曲もそれなりに車内を演出してくれると思いますよ。
クルマの中で聴く音楽の一番の魅力ってなんだと思いますか?
景色と音のマリアージュじゃないですか。景色もそうですけど、外の音も入ってくるだろうし、エンジンの音もするし。あとは号泣出来ますよね。車内で音楽を聴いたらもっぱら号泣してますよ。
クルマでは独りで泣いていると(笑)。
言い過ぎたかもしれないですけど、恥ずかしくないじゃないですか、自分だけの空間だから。
想い出の曲に突然
巡り会える喜び。
クルマに乗るときは、いつも音楽を聴いていますか?
いま乗っているクルマが60~70年代のもので、オーディオがあまり整ってないので最近は聴かないですね。でも、きっと新しいオーディオが付いてたらバンバン使いますよ。まともなオーディオが付いているクルマに乗っていた頃はそれこそ、その日録音した曲をチェックしながら帰るとかをよくやっていました。普段触れ合う環境でどう響いてくれるのか。
確かに、ミュージシャンの方が必ずクルマで確認するっていう話はよく耳にします。普段からSpotifyみたいなサブスクリプションサービスは使いますか?
家で音楽聴くときとかはたまには使いますね。
サブスクリプションサービス(以下、サブスク)の良さってどこにあるのでしょう?
お手軽さじゃないですか。あとは、昔こんなCD持ってたよな、みたいな作品を発見出来るのがいいですよね。記憶の片隅にあった曲と想い出がポーンと目の前に出てくることがあります。
なるほど! 知らない音楽を意識的に探せるところがサブスクの良さですけど、かつての触れた音源に突然巡り会える感動もありますよね。では、新しい音楽を常日頃からインプットされているわけではないですか?
好きなのを見つけたらそれをずっと聴くって感じかもしれません。探している間に感動しなくなっちゃうんですよね。スレてきちゃうっていうか。
ポっと出てきたもので良いなって思ったもの方が感動に近いというか。
アーティストそれぞれ、曲それぞれに本当は素晴らしいところがあるんだろうけど、スクロールしていくような感じで聴いてると、一つひとつにアンテナが張れなくなってきますよね。なので、あまり付かず離れずでいます。
パソコン一台あれば曲が作れるような時代ですけど、長岡さんはどうやって曲づくりをしているんでしょうか?
昔はPCも使ってましたけど、ペトロールズの場合は口述でつくってます。こんなイメージで演奏して欲しいとメンバーに伝えて。仮のモノは作ったりしません。
まったくですか!?
うん、時代遅れですよね。でも仮のものがあるとその第一印象がスッと入ってきちゃうじゃないですか。仮の音源がかっこよかったりするとこれでいいじゃん! ってすぐふてくされちゃうタイプなんですよ、自分自身が(笑)。そうなってしまったら嫌だからゼロから。人から出てくるパワーとかイメージを信じてるっていうのはありますね。
でもそれはなんだかペトロールズファンからすると、嬉しいというか安心する話かもしれませんね。
今回は〈メルセデス・ベンツ〉の新型Aクラスに試乗していただきました。率直にいかがでしたか?
良かったですよ、軽やかで。乗りやすかったです。
デザインはどうでしたか?
最近の〈メルセデス・ベンツ〉は特にスポーティだしポップな感じもありますね。顔の睨みが効いてなくていいなと思います。あとは最近ボディの面構成がシンプルになってきている気がするんです。最近のクルマはラインで表情をつけてスマートに見せたりしているものが多いですけど。このAクラスや最近の〈メルセデス・ベンツ〉のクルマはボンネットがつるっとしていて、無駄がないですね。
余計なデザインがされていないと。
それと、ちょっと前まではフロントが低くてリヤに行くにつれてウエストラインが高くなっていくデザインが主流だった気がするんですけど、最近はお尻が下がってきているのがいいなって。アグレッシブというよりはエレガントな雰囲気があります。
どの部分にクルマの魅力を一番感じますか?
とにかく設計者のエゴが出ているクルマが好きですね。エゴがそのクルマの個性になっているような。今日乗ったAクラスは “つつましい” と感じました。エゴはそんなに感じないけど、永く付き合っていけそうな形をしていますね。
そして、新型Aクラスの最大の特徴は「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」というAI機能です。
実際に使ってみて「Hi! Mercedes! 寂しいよ」って話しかけたんですけど、リアクションしてくれなかったな(笑)。まだ初対面だったから、もう少しコミュニケーションが取れれば相棒になるんじゃないですか。
室温を下げたり、ナビを設定したり、ラジオをかけたり、スタンダードな操作を楽にできるのがポイントなんです。
“話す” ことで視線をそのまま前に置けるから、手元の操作によって起こる事故を防げるっていうことですよね。
堂々として凛としているイメージ。
「俺に任せとけ」って。
クルマ、自転車、ギターの順に好きだ、と公言されるほどクルマ好きで知られる長岡さんですが、〈メルセデス・ベンツ〉にはどんなイメージをお持ちですか?
「俺に任せとけ。」っていうイメージですね。
と、言いますと?
〈メルセデス〉には〈メルセデス〉のペースがあるなって思うんです。堂々と、凛としていて、無理に急いで乗ってもそういう風には走ってくれないみたいな。「いい感じに移動させてやるから乗っていきなさいよ」って話しかけられているようで。少し古い考え方かもしれないですけどね。
最後に、長岡さんのクルマへのこだわり、そしてファッションへのこだわりをそれぞれ一つずつ教えてください。
クルマのこだわりは、“無理してでも乗りたいのに乗る” ってことですかね。仕事柄もあるけど人生の中で結構な時間を過ごす場所なので。そのときに満たされた気持ちで乗っていたいんですよ。
なるほど。では、ファッションは?
友人のアーティストで、古い服をツギハギして直しながら着ている人がいて。彼は「もう一生モノしか欲しくないねん」と言っていて、そういうのいいなって思ったんです。だからファッションへのこだわりは “出来るだけ長く着られるモノを選ぶ” ってことですかね。ファストファッションみたいなすぐに入れ替わるようなものは、すごく嫌だなって思います。地球にとってもいいし、好きなものだけポツポツと着ればいいなって。結局同じようなことなんですよね。服もクルマも。
長岡さんには20日に開催されるイベント「Hi,Beams」にもソロでライブ出演頂きます。
「Hi, Beams」って声をかけたらビームスさんは何してくれるんだろうね。「洋服頂戴!」とかできる?(笑)
一同笑
ご来場のみなさま、宜しくお願いしますね。
長岡亮介
1978年生まれ、千葉県出身。3ピースバンド、ペトロールズ(PETROLZ)の歌とギターを担当。椎名林檎、星野源らさまざまなアーティストのサポートや、楽曲提供などのプロデュースも手がける神出鬼没の音楽家。カントリーをルーツとする唯一無二のギタープレイが多くのファンを魅了している。
CONTENTS
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Year End Party “Hi, Beams”
Around the Mercedes vol.8
Year End Party “Hi, Beams”
12月20日(木)に開催されたイヤーエンドパーティ「Hi, Beams」。大いに盛り上がった1日の様子をレポートします。
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My Favorite Drive Course
Around The Mercedes vol.7
My Favorite Drive Course
ビームス内でも大のドライブ好きとして知られる敏腕男性プレス&女性ディレクターに聞いた、いますぐ行けるドライブコース。
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Koichi Futatsumata
Focus On A-Class vol.3
二俣公一編(Design)
ヴィンテージやオールドモデル好きな空間・プロダクトデザイナー、二俣公一さんが紐解く、新型Aクラスの機能性とデザイン性について。
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Living with A-Class.
Around The Mercedes vol.6
Living with A-Class.
鎌倉に住んで10年。ビームスのメンズカジュアル部門のディレクターを務める中田慎介さんが語る、新型Aクラスのある暮らしとは。
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A-Class meets Art.
Around The Mercedes vol.5
A-Class meets Art.
P.M.Kenさんと河村康輔さん。両アーティストがAクラスを題材にアートを作ると、いったいどんな作品が生まれるのか。
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Ryosuke Nagaoka
My Playlist vol.5
長岡亮介編
自身のバンド、ペトロールズの歌とギターを担当し、様々なアーティストのサポートやプロデュース業も行う神出鬼没の音楽家・長岡亮介さんのプレイリストトーク。
LIKE a A CLASS
FASHION, MUSIC, CULTURE , LIFE STYLE , .. and CAR
新型Aクラスにまつわる10の魅力。
Hi, Mercedes
「ハイ、メルセデス!」の一声でクルマと対話を。
ラジカセから流れてくるMCの声は、いつも一方通行だった。ハガキやFAXを送って、運が良ければこちらのリクエストに応えてくれたけど、基本的にはいつも誰かの好きな曲をジッと聴いているだけ。でも、「MBUX」はちがう。「ハイ、メルセデス」の一声で、音声入力に対応。運転中、プレイリストにあるお気に入りの曲をリクエストすれば、その曲をすぐに流してくれる。もちろん道案内や、空調などの車内環境にもバッチリ対応。ドライブをよりスムーズなものにしてくれる。
COMFORTABLE
クールで快適な車内の居住性。
優れたデザインには、それに見合うくらいの使える機能が伴っていて欲しい。たとえば家にある椅子。かっこいいのは当たり前で、犬もぐっすり眠っちゃうくらいの快適性が欲しい。新しいAクラスはもちろんその両方を兼ね備えている。ブラックを基調に、アクセントとしてシルバーがあしらわれたインテリアは、クール&ラグジュアリーな装い。シートの座り心地もストレスフリーだし、従来に比べてスペースが広く感じるように設計されているので、快適性も申し分なしなのだ。
SPORTY
ジョーダンのように素早く機敏なAクラスの走り。
コートを颯爽と駆け巡り、貪欲にポイントを獲得したマイケル・ジョーダン。その手にボールが渡れば、誰も彼を止めることができなかった。バスケットボールのコートは決して大きくはない。だからこそ、全力のダッシュと機敏な動きが求めらる。新しいAクラスのエンジンは、より軽量になりながらも排気量を削減し、エンジン騒音も低減。またトランスミッションもシフトの作動が素早く、変速もスムーズ。つまり、ジョーダンに負けじと劣らないスポーティな走りが特徴なのだ。
SAFETY
安全性を盾にした鉄壁の守りは兵隊さながら。
自動運転技術は人々の安全にも向けられている。高速道路での渋滞の最後列に接近したときや、交差点では歩行者や車両の飛び出しに対して自動でブレーキをかけてくれて、なおかつ回避したあとにクルマが車線内に入るように運転をアシストする機能まである。万が一衝突したときに備えて屈強な設計になっていると同時に、大きな衝突音による耳への負担を減らすシステムも搭載。これらは歩行者や周りのクルマだけじゃなくて、自分自身をも守ってくれるということ。
STORAGE
高い収納性が行動範囲を広げてくれる。
クルマに乗ってどこへ行こう? 家族と小旅行、あるいは恋人と買い物などなど。クルマがあれば行動範囲が広がるが、いずれにせよ荷物は多くなる。そんなときはファッションにもアウトドアにも通用する、フィッシィシングベストのような万能で高い収納力が必要だ。でも大丈夫。新しいAクラスには、広く改善されたラゲッジルームが存在する。奥行きも幅もプラスされ、なんと29L分の増量に成功し、370L(※欧州参考値)もの容量を誇る。これなら仲間とのゴルフだって安心だ。
MBUX
長年連れ添った相棒のように頼もしいヤツ。
幼い頃、夢の中でいつもドライブをしていた。助手席には一緒に眠るぬいぐるみがいて、ラジオをかけたり、空調を調整してくれた。新しいAクラスに搭載された「MBUX(メルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス)」も、そんなドライブの相棒役を務めてくれる。インパネ横のディスプレイは、スイッチやパッドではもちろん、スクリーンに直接タッチして操作することも可能。しかも、ユーザーの行動を学習し、行きたい場所、好みの曲の提案をしてくれる頼れるヤツなのだ。
SELF DRIVING
自動運転技術でさらに便利な世の中へ。
自動お掃除ロボのルンバの誕生には多くの人々が驚いた。地雷探査機のノウハウを家庭に応用し、文字通り“自走”で掃除してくれる便利なロボ。自走といえば最近ではクルマだってオートマチックなシステムを持ち、ドライブのアシストをしてくれる。しかも、その機能はどんどん向上しているのだ。たとえば車線検知機能では、消えかかった不明瞭な車線も検知してくれたり、高速道路で渋滞にハマった場合は、前走車に合わせて自動で発進してくれる。まったく便利すぎる世の中だ。
SENSOR
敏感なセンサーはまるでリフレクターのよう。
暗闇のなかを運転していると、ピカッとリフレクターが光り、そこに何かがあることを知らせてくれる。だけど、新型Aクラスの場合は暗闇じゃなくても(もちろん暗闇でも)センサーでさまざまなものを感知し、ドライバーに知らせてくれる。たとえば道路の標識をフロントガラスに付属されているカメラで読み取って注意を促してくれたり、手ばなし運転を検知するとゆるやかに減速してくれたりなど。でも、くれぐれもセンサーに頼りすぎないように注意したいところだ。
FUTURE
新型Aクラスは“乗る”ガジェットなのかも?
90年代に夢中になって遊んだゲームボーイ。持ち歩けるゲーム機なんて、当時は画期的すぎた。でも、いまはどうだろう? ゲームボーイはもはや“レトロ”に分類され、家でも外でもみんなスマホをいじっている。いろんな技術やテクノロジーが街中にあふれているのだ。スクリーンをタッチしたり対話しながら操作する「MBUX」や、さまざまなオートマチックシステムを搭載した新型Aクラスは、ある意味では最新の装備をまとった新しいガジェットのようなものなのかもしれない。
DESIGN
思わずうっとりしてしまう流れるようなデザイン。
女の子は美しいラインのデザインに弱い。きっと指輪を欲しがるのもそのせいだ。淀みなく流れるような流麗なデザインは、身につけていても気持ちよさを感じる。だから、Aクラスのエクステリアにもうっとりするにちがいない。風の流れを計算した角のないラインと、品があってスマートなルックス。それにダイナミックさと、どこかスポーティな要素も加わっている。優しさと力強さが調和したデザインには、きっと生粋のクルマ好きですら思わず感嘆の声をあげてしまうだろう。