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スケートパークで広がる、ひととの繋がり。

デッキを弾く小気味よい音が響く「駒沢公園」のスケートパークに、自転車で颯爽とやってきたYutakaさん。到着するやいなや、先客の顔なじみから次々に声をかけられ、屈託のない笑顔がこぼれます。

「ありがたいことに仕事が増えて、以前より滑る頻度は減っちゃったけど、ここに来ると『久しぶりだね』って声をかけてもらえて嬉しいです。『駒沢公園』はランプが充実しているから好きなんですよ」

スケートボードに関わる仕事をしていたお父さんからの影響もあり、小学生のころからスケートカルチャーに魅了され、高校生のときにはパークをハシゴするほどの熱中ぶりだったそう。そんなYutakaさんにとってスケートボードは、「ひととの距離をグッと縮めてくれるパスポートのような存在」と話します。

「高校生のころにスケボーを通じて出会った年上のひとたちからは、学校で学べないことをたくさん教えてもらいました。留学したカナダでもパークに通っていると友達が増えて、自分にはないファッションの感覚を知ることもあって。ここまでの人生、スケボーが繋いでくれた縁が多いんですよね」

深みが増す、バックグラウンドの重要性。

三軒茶屋駅のほど近く、ひとで賑わう商店街を抜けた先にお店を構える「SALLY'S JOURNEY」。ここは伝統的な染色技法の“捺染”や“筒描き染め”を施したオリジナルブランド〈モデスティインダストリー(MODESTY INDUSTRY)〉を展開し、ドリンクや看板メニューのホットドッグを提供するカフェが併設したショップです。

Yutakaさんが「SALLY'S JOURNEY」に足を運ぶようになったのも、スケートボードが繋いだ縁。店主のロンさんと「世田谷公園」のスケートパークで出会ったことがきっかけでした。いまではすっかり常連で、ファッション、スケートボードの知識や人脈が豊富なロンさんをかっこいい先輩として慕っている様子。そんな「SALLY'S JOURNEY」は、スケートパーク同様、学びと出会いがある場所のようです。

「思いがけないひとを紹介していただくこともあって、『SALLY'S JOURNEY』に来ると、また違う世界に飛び込んでいく感覚があるんです。いつも、しゃべり疲れるくらい、ロンさんといろんなことを話しています」

そして、「SALLY'S JOURNEY」は、Yutakaさんが自身の表現を披露してきた場所でもあります。お店の2階のギャラリースペースで、イラストの個展を開催したり、仲間たちと手がけるブランド〈ニュースレター(NEWSLETTER)〉の展示会を行ったことも。そうしたイベントの度に〈モデスティインダストリー〉とコラボレーションしているそうで、そこにもYutakaさんの人柄のよさが垣間見えます。

「場所を貸してもらったり、いろいろと支えてもらった分、コラボレーションが少しでも恩返しになればいいと思っています。展示のたびに、もっと頑張らなきゃって思わせてくれる場所です」

「SALLY'S JOURNEY」で過ごす時間、ロンさんとのたわいない会話。Yutakaさんにとって、そんな日常が制作のヒントになっています。

「忘れっぽいんで、思いついたことをメモに残すようにしているんです。風景を描いてみたり、目に留まったものをキャラクターにしてみたり、会話から着想を得ることもあって」

そう話すように、イラストや服づくりのアイデアをストックするノートが必携品。荷物は多くないものの、いつもバッグを背負うYutakaさんは、「ルーヌ」の背負い心地のよさと利便性の高さを実感したようです。

「バックパックって荷物が少ないと背負い心地が悪くなるイメージがあるんですけど、『ルーヌ』は全然そんなことなくて。背中にフィットしたし、自転車を漕いでいてもバックパネルの通気性がよくて快適でした。縦にジップがつけられたフロントのポケットも、他にあまりないディーテールでいいですね」

「ルーヌ」のバックパネルに採用されているのは、登山用パックのフラッグシップモデル「バルトロ」と同じエアークッション。本格的なアウトドアシーンで用いられている機能を日常でも感じられるというわけです。単に外面がいいだけではなく、〈グレゴリー〉ならではの背景、技術がしっかりと踏襲されている。そんなものづくりの姿勢は、Yutakaさんの創作にかける想いとリンクする部分があります。

「なんでこの絵を描いたの? って聞かれて、『ただ単純にかわいいから』っていうのは自分的にナシで。自由に表現していますが、これを描いたことで、こういうことを伝えたかったと、自分の作品にきちんと責任を持ちたいと思っています。なにごともバックグラウンドやストーリーがあったほうがいい、というのがぼくの考えです」

BEST INTERESTを発信する場所を夢見て。

スケートショップでありながらハイストリートブランドも取り扱う「MORTAR TOKYO」は、日頃から一緒に滑っているスケーターが多く働く、Yutakaさんの馴染みのショップのひとつ。

今年3月にはお店のオープン9周年に際して、アニバーサリーアイテムのイラストも手がけました。その理由は「SALLY'S JOURNEY」と同じく、いつもお世話になっている恩返し。

「MORTAR TOKYO」のオープン9周年を記念したアニバーサリーアイテム。Tシャツやパーカに、Yutakaさんのイラストが落とし込まれている。

「好きなスケートブランドのアイテムを取り扱っているし、1階に並んでいるハイストリートブランドを見ていると、服づくりの勉強になる。スケートショップにはないラインナップが見られるのが『MORTAR TOKYO』の魅力で、スケーターのかっこよさとは違った、ファッション的なかっこよさのアイデアを得られる場所です。友達がたくさん働いているショップとコラボさせてもらえたことは素直に嬉しいし、数いるイラストレーターのなかからぼくを選んでもらえたことは本当にありがたいです」

そして、「MORTAR TOKYO」や「SALLY'S JOURNEY」のように、「〈ニュースレター〉が、みんなの持っているカルチャーを繋ぐハブになれたら」と話すYutakaさん。ブランドのコンセプト“BEST INTEREST”という言葉の通り、自分たちがおもしろいと思ったものを発信していくことを夢見ています。

「〈ニュースレター〉をベースにして、服だけに限らず、ジュエリーや陶器、デザインなど、ぼくがかっこいいなって思うモノやコトをつくっている友達が表現できる場所をつくりたいですね。ぼく自身、好きなものが多いから、どれかひとつに絞れないんですよ。それを体現できたら、と思っています」

GREGORY「RHUNE20(ONLINE STORE)」

Photo_Fumihiko Ikemoto
Text_Shogo Komatsu
Edit_Soma Takeda

問い合わせ先 グレゴリー/サムソナイト・ジャパン
電話: 0800-12-36910(フリーコール)
※月曜日~金曜日の10:00~17:00受付(土日祝日・年末年始は除く)
gregory.jp


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