世田谷区・上町の小さな商店街に、外壁をポップな配色で彩ったひと際目を惹くお店があります。ここは「SUNDAYS BEST」。アメリカで買い付けてきた服や雑貨や日用品、さらにはオリジナルウエアや友人らが製作しているアパレルなどを取り扱っています。2014年に中目黒でオープンし、昨年11月に移転してきましたが、この場所は中目黒と比べると知名度は低く、人通りも多くはありません。しかし、それがよかったと横瀬さんは笑顔で話してくれました。
「お客さんがわざわざ足を運んでくれたことが分かるから、すぐ近くにアパレルショップのない場所が好きなんです。前の店舗も、駅から10分くらい歩いた住宅街にあって、お店が密集している目黒川沿いと離れていました。でも、上町のほうが来る機会は少ないですよね。5年くらい前から上町で物件を探していて、ようやくこの場所が見つかって。付近の大学に通う学生や家族連れのお客さんが増えて、客層の幅が広がりましたよ。商店街の会合も好きなんですよね」
向かいにある商店を営む年配の店主とあいさつを交わす横瀬さんの姿から、この街の居心地のよさが伝わってきます。移転をきっかけに変化した新たな客層や商店街のつながりなど、10周年を目前に控えた「SUNDAYS BEST」は新鮮さを帯びているようです。環境とともにラインナップも少しだけ変わったものの、ショップの姿勢は変わりません。
「お店が広くなったので、雑貨や日用品を倍くらいに増やしました。少しずつ、前みたいにごちゃついた店内にしていけたらな、と。ぼく自身、商品で溢れているお店が好きだし、お客さんも掘る感覚があって楽しいと思うんです。なにが売っているかお店に行かなきゃ分からないほうが好きなので」
これぞアメリカ! と言いたくなるようなデザインのアイテムがずらりと並んだ店内。日本では手に入りにくいものも多くラインナップしていて、どこを見ても思わず胸が弾みます。買い付けは半年に一度で、11月にも渡米予定なのだそう。
「単純にアメリカへ行くのが好きなんです。いろんな場所を回って、オリジナルアパレルのアイデアを探したり、リフレッシュしたりしています。だから、買い付けっていうより、旅行ですね(笑)」
近くにアパレルショップがないと言っても、古着屋の「SIESTA」や「Astrology store」、横瀬さんも通っているカレーとクラフトビールを提供する「HATOS OUTSIDE」などは、自転車で10分圏内。横瀬さん自身も自転車で移動することが多いそう。青でまとめたその1台は、15年ほど乗っていて愛着もひとしお。
「移転前は、隣が『25LAS BICYCLE WORKS』という自転車屋さんだったから、よく相談していて。いいパーツというより、雨に強かったり丈夫だったりするものを付けてもらいました。このフレームは、競輪の公道練習用。軽くて、色も気に入っています。前にヘッドチューブが折れちゃったけど、直してもらってまだまだ現役。このサイズはめったに見つからないので、できるだけ乗り続けたいですね」
横瀬さんが初めて〈グレゴリー〉を手にしたのは10代半ば。通っていた古着屋のスタッフが使っているのを見て、興味を持つようになったようです。
「シンプルなものから機能的なものまであって、クラシックなイメージ。最初は赤と黄色のショルダーバッグを買いましたよ。タペストリー柄も人気でしたね。当時はいろんなアウトドアブランドのバッグがあったけど、その中でも〈グレゴリー〉が人気でした」
そんな横瀬さんが選んだ「DAY PACK」は、レトロアウトドアな色味が印象的なパーカベージュ。その中は、メモ帳とペン、サングラス、デオドラント、水筒、と荷物は少なく、ポーチでまとめられていました。その理由は、バッグの中身を入れ替えやすくするため。
「その日の予定に合わせたサイズのバッグを使うようにしているから、中身は入れ替えやすいほうがいい。バックパックを使うのは、買い物に行くときが多いです。『DAY PACK』は12インチのレコードが入るし、背中のフィット感と肩に馴染むショルダーハーネスで、荷物が重くなっても背負いやすいと思います。ブラックやネイビーもいいけど、ベージュは意外とコーディネートに合わせやすくて好きなんです」
「DAY PACK」は、〈グレゴリー〉の創業当時からアップデートしながら40年以上愛され続けている名作。それも「SUNDAYS BEST」の商品や横瀬さんの好みと共鳴します。
「アメリカのアイテムは、ずっと変わらないデザインが多いし、タフだから使い続けることができる。本当に必要な機能だけを搭載しているシンプルさも魅力ですね。それは『DAY PACK』にも言えること。いつまでも変わらない不変性のあるものに魅力を感じます」
バッグ:GREGORY「DAY PACK(ONLINE STORE)」
Photo_Fumihiko Ikemoto
Text_Shogo Komatsu
Edit_Soma Takeda
問い合わせ先 グレゴリー/サムソナイト・ジャパン
電話: 0800-12-36910(フリーコール)
※月曜日~金曜日の10:00~17:00受付(土日祝日・年末年始は除く)
gregory.jp