伝統的でありながら現代的。
1977年にアメリカ・サンディエゴで産声をあげたバッグブランドの〈グレゴリー〉。ブランドを代表するモデルは数あれど、ブランド設立と同年に誕生し、今も愛され続けている定番モデルと言えば「デイパック」です。
いまやバッグにデイパックというカテゴリーが当然のようにありますが、その名称は〈グレゴリー〉の「デイパック」が起源とも言われています。“1日分の荷物にちょうどいい”という理由から命名され、アウトドアはもちろんのことデイリーユースにぴったりな容量から絶大な人気を博しました。発売当初より変わらないティアドロップ型のシルエットは男女問わず背中にフィットし、バラエティ豊かなデザインによってファッションシーンからも厚く支持されているのはご存知の通り。小さくモディファイした「ファインデイ」やシンプルなデザインの「イージーデイ」など人気のパックは、「デイパック」のDNAを受け継いでいます。
「デイパック」が時代を超えて愛用されている理由のひとつに、高い機能性があります。背負い心地を左右するショルダーストラップは、体に自然とフィットするように曲線的なカーブを描き、内側にはクッション性に優れたEVAが配されています。ストラップ部分などの繋ぎ目は荷重の負担が大きいため、中央から重ね縫いするセンターロッキング・バータックを施して強度をアップ。これは、1978年に開発された〈グレゴリー〉独自の縫製技術です。
時代が変われば、収納するモノや使い勝手が変わります。40年以上もリリースされている「デイパック」は時代に合わせて改良されていて、それもまた不動の人気を確立している理由と言えるでしょう。発売当初のオリジナルにはなかったPCスリーブや小物を収めるためのジッパーつきメッシュポケットが、現行モデルで新たに設けられました。また、内側の生地の端もカバーして縫い込むことで美しい見た目に仕上がり、ほつれ防止の効果も。そんな見えない部分にまで気の利いた仕様こそが、長く愛用できる所以というわけです。
左上、左下 各¥22,000、上段中、右上、右下 各¥24,000
多彩なカラーリングや素材が揃っているのも「デイパック」の魅力。今季は畝のある表情がコーディネートにアクセントを加えてくれるコーデュロイや、ふかふかな肌触りのボア素材など、新顔も仲間入りしました。長い歴史が証明する抜群の使い勝手と、トレンドに寄り添うファッショナブルなデザインを両立した稀有なバックパックは、今季もバリエーションが豊富です。
Photo_Yohei Miyamoto
Text_Shogo Komatsu