「今日背負っているデイパック（DAY PACK）は、今シーズン〈グレゴリー〉、〈ニューバランス〉、〈ビームス プラス〉のトリプルネームでリリースしたモデルです。〈グレゴリー〉と〈ニューバランス〉という、アメリカ発祥の2つのブランドで、分野は違えどロールスロイスに喩えられて来た両者の間に〈ビームス プラス〉が入り、“フィッティング“というテーマで製作したコレクションなんです。同時に、新旧を現すというテーマもあって、クラシックなライフスタイルラインから「デイパック」、最先端のものとしてテクニカルラインから「コンパス」という2つのモデルをベースに作ってて、「コンパス」にはチョコチップ迷彩柄を採用しています」

これまでに数々の名作を生み出して来た〈グレゴリー〉と〈ビームス プラス〉のコラボレーション。その突破口とも言える〈キャプテン サンシャイン〉を含めたトリプルネームのコレクションの実現に尽力したのが、他ならぬこの中田さんだ。現在は「ビームス」のメンズカジュアル部門におけるディレクターとして日々奮闘している中田さんと〈グレゴリー〉との付き合いはもう25年以上になるという。

「両親が共に服を好きだったので、自分自身も小さな頃から服を好きになる環境には在ったんです。ベタに入り口は〈リーバイス®〉の「501®」で、そこから入って、中学校で古着に出会いました。中学校の終わりから高校に入るくらいに、ちょうど大アウトドアブームがやって来て、そこで先輩たちが使い始めた、いわゆる旧タグと呼ばれる、青文字タグのやつですね、それに憧れて買ったのが初めての〈グレゴリー〉かな。緑にエメラルドグリーンパイピングの「デイパック」で。その頃は〈グレゴリー〉のバックパックに〈グラミチ〉のショーツ、〈ビルケンシュトック〉の「アリゾナ」、〈コロンビア〉のフィッシングベストみたいな格好が定番でしたね。そう考えると、現在のビームスには凄い懐かしいものが並んでいるんですよね（笑）。中学校から高校くらいまでの甘酸っぱい思い出が、まさに店頭に並んでいます」

現在でも当時の旧タグのモデルを保有している程の〈グレゴリー〉愛好家である中田さんに、初めて手にした「デイパック」以外の思い出深いアイテムを尋ねてみると、そこにも思いがけない甘酸エピソードが。

「昨年、40周年のときに復刻させていただいた、廃盤になっていた「ミッションパック」は、中学3年の時に好きだった子が背負っていたアイテムなんですよね（笑）。もちろん物としても凄い名品だと思っていたので、あれを復刻してもらえたときは幸せでした。この先も、〈グレゴリー〉にはちゃんとイノベーションしつつ、過去の財産も大事にしてもらいたいですね。そういうのは一流のプロダクトメーカーの使命だと思うので。その両軸をずっと守り続けてもらえたらなって思います」

バッグ：グレゴリー × ニューバランス × ビームス
ジャケット：マウンテンリサーチ
Tシャツ：チャンピオン × ビームス
パンツ：グラミチ × ビームス
シューズ：ニューバランス
キャップ：ビームス