「はじめてグレゴリーを買ったのは20歳くらいのときで、ちょうど古着に興味を持ちはじめた頃でしたね。自分自身でグレゴリーというブランドを意識していた訳ではなかったんですが、何かバックパックが欲しいなと思って友達に聞いたら、とりあえずグレゴリーを買っとけって言われて。それで手に入れたのが、紫タグでパープルのデイパックですね」
そう語ってくれたのは、富山に本店があり、金沢の分店も今年で14年目を迎える老舗古着屋「フォアモースト」に勤める中村さん。10代の頃はインポートもドメスティックもごちゃ混ぜに、とにかくミーハーだったという中村さんだが、この「フォアモースト 金沢店」と出会ったことで、古着に興味を持つようになったという。
「金沢にはそれこそシュプリームやヘクティクのショップなどもあったんで、いろんな服を見ることが出来たんですよね。その中でも、フォアモーストとの出会いは大きかったです。たまたま店に入ってみたらハマって。そこからですね、古着に興味を持つようになったのは。古着を好きになってからも、自分の服の好み自体は変わらないんですけど、向き合い方が変わりました。それまではファッションに気張っていたのが、肩の力が抜けて自然体になりましたね」
「フォアモースト」では、いま現在でもジャンルを問わず数多くの素晴らしいヴィンテージアイテムが取り扱われているが、過去には〈グレゴリー〉の希少なモデルの取り扱いがあったこともあり、遠方から〈グレゴリー〉のアイテムを求めて来店するお客様も少なくないのだとか。
「グレゴリーには凄いコアなお客さんが多いイメージがありますね。いまはアメリカでもグレゴリーの値段が上がってきちゃってるから、コンディションの良いものしか仕入れられなくなってきてるんですよ。最近はアメリカでも物自体も無くなってきていますし。それでもまだコンスタントに良いものは出てくるんですけどね。今日背負ってる「デイアンドハーフ(DAY & A HALF)」もついこの間に手に入れたんですけど、30年くらい前の茶タグのモデルなのに、本当に劣化も使用感も少ないんですよ」
最後に中村さんに、今後手に入れたい〈グレゴリー〉のアイテムを聞いてみると、「年代にはこだわらないですけど、デイパックですね。色とか物としての雰囲気が良いものがあれば手に入れたいですね」とのこと。流行りに振り回されることのない、中村さんの確かな審美眼を感じさせる発言だった。
バッグ : グレゴリー (私物)
シャツ:古着(私物)
スウェット:チャンピオンの古着
パンツ:古着(私物)
キャップ:ラルフ・ローレンの古着(私物)
シューズ:ビルケンシュトック(私物)
Photo_Yuichi Akagi
Edit & Text_Maruro Yamashita