〈グレゴリー〉のブランド創業40周年記念モデル第2弾として、今年の夏に発売された、80年代後半に展開されていたイエロー・レッドの配色に茶タグという「DAY PACK(デイパック)」の復刻モデル。単なるカラーリングだけの復刻ではなく、マテリアルや仕様も当時のものをできる限り再現したという同モデルは、当時を知る大人たちの心を強く揺さぶりました。スタイリストの松川さんも、心を動かされた一人です。
「中学と高校の頃に、どのバッグを使うかっていう問題があったんですけど、いろんなブランドがある中で、俺はどちらかというとグレゴリー派だったんです。当時、先輩がこの色を持っていて、マジで格好良い! って思ってたんだけど、先輩が持ってるから持てないなーと思っていて。それで黒のデイパックを背負っていました。でも、今回の復刻を改めて見たら、いまだからこそまた新鮮で、使いたいなと思い、何十年越しで購入しました」
メンズを中心に雑誌媒体からCM、タレントやミュージシャンのスタイリングまで幅広く手がけるスタイリストの松川さん。昨年、長期間に渡りアメリカを旅しながら、自身のファッション観におけるルーツ的な部分と向き合ったという松川さんのファッション観の根底には、いわゆるアメカジ的な要素が確かに存在している。
「自分は雑誌でいうと、BoonやGET ON! なんかの世代で、グレゴリーは当時のおしゃれな先輩たちがみんあ使っていた憧れのバッグというイメージがすごいあるんですよね。自分は古着が好きで、常にヴィンテージのグレゴリーとかは古着屋で探したりしていました。でも、どうしても自分が欲しい形とか色ってなってくると高くて。で、新品を買うのも、ちょっと違うかなーと思っていたんですけど、このイエロー・レッドの配色は良かったですね。大人になると、バッグは黒とか無難な色を選びがちだと思うんですけど、意外と合わせやすいんじゃないかなと思ったんですよ」
確かに、この日の松川さんのコーディネートは、いわゆる教科書的なファッション雑誌が提唱する、コーディネートは全部で何色まで! というようなルール(?)に縛られることなく、完全に自由で、力が抜けてたくさんの色味が入っているが、トータルとしてとてもうまくまとまっている。
「もちろん、全身黒に、このバッグをポイントに持つというコーディネートもいいと思うんですけど、自分的にはこういうクラシックなテンションで持っていくというのが逆に新鮮かなと思いました。もちろん、直球でアメカジに落とし込んでも良いですよね。個人的にやってみたいのは、ナイロンもののセットアップに、このカラーリングのグレゴリーを合わせるとか。すごく新鮮で良さそうかなと」
バッグ : グレゴリー (私物)
スウェット:オーラリー(私物)
パンツ:ユナイテッド アローズ&サンズ(私物)
キャップ:ベトンシレ(私物)
サングラス:アヤメ(私物)
ブレスレット:ヴィンテージ(私物)
時計:カシオ(私物)
シューズ:オールデン(私物)
Photo_Yuichi Akagi
Edit & Text_Maruro Yamashita