- 2014.12.12
- Excellent Maker.
Excellent Maker. SPECIAL02 松本充史
さて、エクセレントメーカー特別篇の2人目は、ニューバランス ジャパンにて商品企画やマーチャンダイジングを担当する松本充史氏にスポットを当てます。各ブランドとの別注企画や販促企画などに従事し、今後のニューバランスにおいて欠かすことができない存在であり、ファッションについても詳しい彼に、いろいろと訊いていきます。
--まずは、ニューバランス ジャパンに入社した理由を教えていただけますか?
松本充史(以下松本/敬称略): 前職はアパレルで働いていました。そのときからずっと、日本のマーケットって意外に狭いなと感じており、これだけグローバル化が進んでいるのだから、世界と接点が持てる仕事がしたいな、と思っていました。そんなときにニューバランスと出会って、一般的なファッションの外資系企業だと海外で作ったものを仕入れて売るだけのところが多いんですが、ニューバランスの場合はジャパンで企画できたり、ジャパンから発信できることが面白いし、自分でもプランニングとかに関わりたいという思いがあったので、入社を決めました。
--やりたい仕事が先で、それができる環境がニューバランスにあったという訳ですか?
松本: そうですね。「ニューバランスで仕事がしたい」というよりは「ファッションが好きで、世界に発信できる仕事がしたい」が実現出来る場所がニューバランスだったという感じです。
--実際に入社してみて、いかがですか?
松本: いまアジアのマーケットが急成長しているので、今後は売り上げの比重はアジアに移っていくと思いますが、世界は日本の動向には注目しているな、というのは感じます。ですから、日本から発信できるという立場にいられるのは面白いですし、魅力的ですね。
--松本さんがニューバランスに入社してした仕事の中で印象に残っているモデルを伺いたいのですが。
松本: MRL996ですね。
--これ、フイナムとして谷中がデザインしたモデルですね(笑)。
松本: はい(笑)。これが、なぜ印象に残っているかと言いますと、今までは1モデル1コラボレーションで、先方に委ねる別注が多かったのですが、僕が記憶してる中では1モデルを4社がそれぞれ別注するというコラボレーションを実現した初のモデルだからです。あとは、996という過去の名作にレブライト(RevLite)という新機能を搭載させてアップデートさせたモデルでもありますし、正能も話していましたが、フイナムさんとともに販促まで含めて仕掛けられたことが大きくて。今までのニューバランスとの分岐点になった気がしています。
--ここまで組み立てた企画は、他のブランドを見ても、あまり見掛けませんね。
松本: 個人的に好きなモデルというのはたくさんありますが、商品も販促もここまでたくさんの方が関わってプロジェクトを実現させられた思い出が詰まったモデルは、このMRL996ですね。たくさんの方が関わった分、相当大変ではありましたが...。でも、このモデルは今やグローバルでも高い評価も受けていますし、そのきっかけが日本の企画からなので、まさに自分がやりたかった日本発信で世界に広げていきたいという想いを実現できた仕事でした。
--これだけ物が溢れる中で、作り手がどういう想いを込めて作られた物なのかをきちんと伝えることができたのは、メディアとしても面白かったですね。ちなみに、本日履いているモデルは?
松本: M1500のMADE IN ENGLANDモデルですね。
--そちらには、何か思い入れがあるのですか?
松本: ひとつのモデルをずっと履き続けるというよりは、いろいろなモデルを履きますし、仕事上ニューバランス以外のスニーカーも履くようにしているんですが、いまは清潔感のあるスタイルで、綺麗めなスラックスを履く機会が多く、それにクラシックを合わせてしまうと普通過ぎるかなと思いまして。ハイテク感とか高級感を加えたいなと思ったときに、M1500ってオーセンティック過ぎず、ニューバランスらしいハイテク感もありますし、シンセティックレザーを使っていて絶妙にハズせるんですが、上品に見えるので、気がつくと足を通していることが多いでですね。
パリなんかに行くと、綺麗なモードの格好にナイキの(フリー)などを合わせるスタイルをよく見かけましたが、自分的にはそこまでモードっぽくは着ないのでM1500か、M2040のブラックくらいが丁度良くて好きですね。
--松本さんが今後、ニューバランスで描いていく未来は、どういったものですか?
松本: 重複になりますが、日本から発信していく企画をたくさん実現させたいですね。それから、結局はお客様から支持して頂かないといけないので、向かうべき方向をミスリードしないことも必要ですね。ニューバランスは誠実なブランドだと思っているので、社の誠実さや真面目さを大切に、ブレずに進み、支持してくださる方々と良きコミュニケーションを図っていくことを大事にしていきたいですね。
物作りに対する姿勢も重要ですが、どう仕掛けていくかも今後はかなり重要になってきていると思いますので、どういったコミュケーションを取っていくのか、つねに周囲の動向にアンテナを張って、いろいろなタッチポイントを持っていかなくていけないな、とも思っています。
--期待しております。今日はありがとうございました。
スタイリング
シューズ:〈ニューバランス M1500〉
ニット:〈ジェイムスシャルロット〉
シャツ:〈still by hand〉
パンツ:〈YAECA〉
Shuji Matsumoto
松本充史
Merchandiser Merchandising Team
商品企画 マーチャンダイジングチーム
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