〈メルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)〉が発表した、新型Aクラスに搭載されるメルセデス・ベンツ ユーザーエクスペリエンス(以下MBUX)。スマートフォンやパソコンなどに搭載されることが多くなった、ボイスコントロールを使用した新世代のユーザーインターフェイスは、ドライバーはもちろん、乗客全員の車内での体験を全く新しいものに進化させてくれます。
この“My Playlist“では、ミュージシャンやDJなどの有識者の方々に、ドライブにまつわるシチュエーションをテーマに、自分自身が聴きたい楽曲をセレクトしてもらいました。第一回は、これまでのクラブフィールドだけではなく、TVドラマや映画の劇中音楽の製作など、その表現の幅を拡げているアーティスト、tofubeatsさんのプレイリストです。神戸出身、神戸在住の彼ならではの”My Playlist“をお楽しみください。
神戸は走っていて
気持ち良いエリアだと思うんです。
普段からtofubeatsさんは運転はされますか?
そうですね。かなり乗る方なんじゃないかなと思います。神戸に住んでいるので、あったほうが便利みたいな。実家にいる頃から、実家のクルマを運転していました。大学にもクルマで通ったりしていて。実際にマイカーを買ったのは、本当にここ数ヶ月の話です。神戸は走っていて気持ち良いエリアだと思うんですよね。海もあって、山もあって、橋もあって。島に行って温泉だけ入って帰ってくるみたいなドライブを一人でよくやってました。
クルマに乗る時って、普段から音楽を聴いていますか?
聴きますね。絶対聴いてます。ラジオとかをなんとなく流すんじゃなくて、自分で持ってきた何かを繋いで聴いてますね。
クルマの中で音楽を聴くのと、移動中にイヤフォンで聴くのとでは感覚的な違いってあるんでしょうか?
クルマのめっちゃ良いところが、スピーカーで聴いているけど個室っていうところなんですよね。パブリックじゃなくてプライベートだけど、ちゃんとスピーカーから聴けるっていうのが自分には、クルマしかなくて。なので、そういう意味でクルマってのは独特な空間というか、滅茶苦茶贅沢だと思いますね。
普段乗られているクルマのスピーカーには、何かこだわりはありますか?
ちょっと良いのにしてます。でも、ちょっとです。積み替えたりはしてないです。電気グルーブの砂原さんに、甘いねってめちゃ言われましたけど(笑)。やっぱりテープとかで隙間を埋めたりするところからはじめるみたいなことをよく聞くんですよね。先ずスピーカーの前にルームアコースティックでしょ、みたいなことを皆さんマジで言うんで、凄いなって思いますね(笑)。
なるほど、隙間を埋めることで音の広がりを良くするんですね。
そうですね、後はビリビリ鳴る素材を減らすとか、そういうところからはじめていくらしんですけど、僕はまだ序の口って感じです。
クルマに乗っているときに好んで聴くものはありますか?
自分の音源をチェックすることは多いですかね。半分くらいはチェックで聴いていますね。
クルマでチェックすることの良さがあるんですか?
普段はスピーカーを使わずに、ヘッドフォンで聴きながら曲を作っているので、最初にスピーカーでチェックするのがクルマのケースが結構多いんです。家でチェックして、これでOKってなったら、それをクルマに持って行って、クルマで聴いて、また家のスピーカーで聴くみたいな流れがあって。あとは、新譜のチェックとかもよくします。運転中だとアルバムを通して聴きやすいから。
Spotifyで良い音楽と出会える
可能性が広がりましたね。
今回作って頂いたプレイリストはどのようなイメージで選曲されたんですか?
高速道路でドライブするときに聴くようなイメージでやりました。ディスコっぽい流れから四つ打ちに入って。関西は湾岸線っていうのに乗ると、高速道路がガラガラなんですよ。それに広いし。東京と比べると、もっと止まらないでいけるみたいなところがあるので、普段DJセットで使っているような曲を中心に、疾走感のある感じで選んでみました。
普段からSpotifyみたいなサブスクリプションサービス(以下、サブスク)は使いますか?
使いますね。
Spotifyのようなサービスの良さはどのような時に感じますか?
やっぱり、新しい音楽を聴きやすくなったなと思いますよね。それこそ、最近だとブラジルの謎のシンセサイザー音楽コンピとかをふと見つけて聴いていたんですけど、そういうのって、やっぱりCD屋行って見つけても聴こうとは思わないんですよ。でも、Spotifyだったら再生したらすぐに聴けるんで、良い音楽と出会える可能性が広がりましたよね。そういうのってサブスクがなかったら無かったなと思っています。あと、色んな国の、ローカルで売れてる曲を聴けるっていうのが本当に良いですよね。現地の人が作ったプレイリストも聞けるじゃないですか。そういうのが本当に良くて。そういうチャンネルってこれまでは意外と無くて。例えば、この海外の謎のジャンルのことを知ったけど、どこにあるんだ? みたいな時に、Spotifyにアクセスすれば大体あるみたいな。あと、それに似た曲は? とか。網羅的に色んな国の音楽が聴けるようになりましたね。
リスナーの音楽体験を豊かなものにしてくれますよね。
そうですね。Spotifyは滅茶苦茶便利ですね。
ファッションとクルマって
実は近いと思います。
〈メルセデス・ベンツ〉にはどのようなイメージを持たれていましたか?
実は、試乗にも行ったことがあります(笑)。それこそ、Aクラスとかだったと思います。結構クラスが上の車種も運転させてもらったことが何度かあるんですけど、やっぱり凄く静かで、スーッと走るし、ステアリングもメッチャ良い感じだし、普通にクルマとして凄い良い印象はありますね。頑丈さもイメージにあるし。
〈メルセデス・ベンツ〉でのドライブ体験も体験済みだったんですね。
あと、実は〈メルセデス・ベンツ〉の仕事をひとつやったことがあるのを思い出して。僕、10年くらい前に、〈メルセデス・ベンツ〉の本国が出してたコンピレーションアルバムみたいなのに曲が収録されたことがあるんですよ。よく考えたら。当時の自分が持っていたMy Spaceとかから、自分に辿り着いたんだと思うんですけど。〈メルセデス・ベンツ〉が、それこそサブスク前夜に、毎月コンピレーションアルバムをコンパイルして新人を紹介するみたいな企画をやっていたんですよ。英語の契約書も書きましたね。10年くらい前の話なので、tofubeats名義でもないんですけどね。まだ全くの無名の頃に、突然。企画名までは思い出せませんが、その時に〈メルセデス・ベンツ〉ってこんなに革新的なこともやるブランドなんだなって凄い感動しました。
それは凄い話ですね!〈メルセデス・ベンツ〉という企業の懐の深さを感じる事ができる、面白い施策だと思います。クルマメーカーがコンピレーションアルバムを作って、更に無名の新人のアーティストを起用するなんて。
今考えると、そのアルバムもドライブ中に聴いてほしいというコンセプトだったのかもしれませんね。
では、〈メルセデス・ベンツ〉のような企業が、ファッションだけでなくライフスタイル全般を演出する「ビームス(BEAMS)」のような企業と結びついて、新たな施策をやることはどう思いますか?
もちろん良い事だと思いますよ。僕は地方にいるから思いますけど、クルマってやっぱり持っていた方が格好良いと思うんです。服ばっかり買うのも良いですけど、やっぱりライフスタイルあっての服ですから。そういう意味では、クルマって絶対リンクしていると思うし。あと、クルマって選択肢が多いんですよ。ファッション的な部分と遠いと思われているけど、実は近い。工業製品を買うつもりでクルマを買っている人って、あまりいないと思うんですね。もうちょっとライトなもの、例えば自転車とかの延長にあるっていうか。
確かに、クルマはデザインやブランドイメージが大きく左右して来ますし、家電の方が性能を見比べて買う人が多そうですよね。
そうそう。クルマってステアリングがどうこうとかよりも、フィーリングで選んでいる人が多いと思うんですね。日本人って車検の時もステアリングを気にする人ってあまりいなくて、外装がどうとか、ワイパーがどうとかしか言わないって聞いたことあります。だから、ファッションとの距離感で考えると、日本はより近いと思いますし、「ビームス」との取り組みは、意外というかむしろ納得いくし、訴求力もありそうですね。より身近に感じられる〈メルセデス・ベンツ〉、僕もぜひ乗ってみたいです。
tofubeats
1990年生まれ神戸在住。中学時代から音楽活動を開始し、高校3年生の時に国内最大のテクノイベントWIREに史上最年少で出演。その後、「水星feat.オノマトペ大臣」がiTunes Storeシングル総合チャートで1位を獲得。メジャーデビュー以降は、森高千里、の子(神聖かまってちゃん)、藤井隆ら人気アーティストと数々のコラボを行い注目を集め、3枚のアルバムをリリース。2018年は、テレビ東京系ドラマ「電影少女-VIDEO GIRL AI 2018-」や、9月1日から公開の映画『寝ても覚めても』の主題歌・劇伴を担当するなど活躍の場を広げ、10月3日に4枚目となるアルバム『RUN』を発売。
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