Autumun Style with 475
晩秋の着こなしと、ニューバランスの「475」。

- FEATURE

過ごしやすい気候が長く続いています。1年中ずっとこのままでいいのに、という気持ちを抱きつつも、季節は無情にも晩秋に向けて確実に動き出しています。秋と冬のちょうどあいだ、着るものにいちばん悩む時期。ということで、今回は3名の方々にそんな季節の着こなしを披露してもいらます。お題は〈ニューバランス〉の「475」。80年代に登場した長距離ランナー用のトレーニングシューズからインスピレーションを得てつくられました。クラシックな佇まいと、上質なヌバックを使用した上品な顔立ちがどこか気になる一足です。

  • Photo_Shinji Serizawa
  • Text_Tsuji
  • Edit_Tsuji, Hideki Shibayama

Style 01:Yuga Nagatsuka
「475」は間違いのない品番。

長塚優河
原宿にあるセレクトショップ「COUNTER」に勤務するスタッフ。アメリカで買い付けてきた現行品と古着を中心に取り扱い、アウトドア系のアイテムも豊富。仕事では独自のファッションを発信しながら、休日は自転車に乗って出かけるのが最近のルーティン。
Instagram:@yuganagatsuka

古着だと、最近はどんなアイテムが人気ですか?

長塚2000年代頃のエイジング加工がしてあるデニムが人気ですね。シルエットはストレートで、それをインチアップして穿く提案をしています。

長塚さんはどういう服が好きですか?

長塚アウトドア系のアイテムが好きですね。アメリカのいなたいおっちゃんじゃないけど、近くにある服をサッと手に取って着ちゃう感じというか。サイズとかも気にせずに、どっか気が抜けてる雰囲気がいいんですよ。ぼくが働いているお店も、そうしたスタイルを推しているんです。

475 VTI」 ¥15,400

〈ニューバランス〉もそうしたスタイリングにフィットしてますね。アメリカでは老若男女に愛される普遍的なブランドだと思うんです。

長塚同感です。アメリカへ買い付けに行くと〈ニューバランス〉はみんな履いてますね。おじさんが野暮ったいスラックスに、こういうクラシックなムードのモデルを合わせていたりとか。それがすごく馴染んでいていいなって思うんです。

実際に今回は「475 VTI」を合わせてもらいました。履いてみて、いかがですか?

長塚めちゃくちゃいいですね。これ、80年代のトレーニングシューズですよね。アッパーの色味がすごくいいなって思いました。グレーとベージュで2色使っているんだけど、トーンが似ているから、馴染んでいる。それに靴としての存在感はあるけど、コーディネートに違和感なく溶け込める感じも気に入っています。

コーディネートはどんなことを意識しましたか?

長塚先ほども話したように、アメリカのおじさんっぽい感じを意識して、ジャンルとかを意識せずにスラックスにアウトドア系のブルゾン合わせたりとか、いい意味で適当なコーディネートをしました。ただ、色味だけはなんとなくこだわって。アウターで主張しているから、インナーは落ち着いた色にして、シューズに合うようにグレーのパンツを履いたりとか、ちょっとした色のバランスみたいなことを意識しました。

最近はハイテクなスニーカーも人気ですが、長塚さんからみて、こうしたクラシック系のアイテムはいかがですか?

長塚ハイテクを履いているひとが多いからこそ、こうしたクラシックなアイテムが気になるというひともたくさんいますよね。だけど、やっぱりクラシックなモデルは安定感がある。そういう意味で「475」は間違いのない品番なんじゃないかと思います。

Style 02:Kirari Motoyama
コーディネートのバランスを上手に取ってくれる一足。

本山綺良莉
1997年高知県生まれ。大阪文化服装学院を卒業したのち、株式会社ユナイテッドアローズへ入社。ショップスタッフを経験したのち、「ビューティー&ユース ユナイテッドアローズ」のPRに就任。現在は「エイチ ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」、「スティーブンアラン」、「アストラット」のPRを担当している。
Instagram:@kira_motoyama

本山さんはもともとプレス志望だったんですか?

本山そうですね。PRがやりたくて、専門学校時代から目標としていました。

現在お仕事をするうえで大事にしていることはありますか?

本山お店やブランド、そして商品の魅力を伝えることが私の役目なので、どうすればそれが伝わるかということをいつも考えています。自分はあくまでも裏方で、主役はお店で展開している服なんです。「ユナイテッドアローズ」ってお店やショップスタッフをすごく大切にしている会社で、やっぱりお客さまと直接コミュニケーションを取れる場所だからこそ、私もそこをサポートしたいという気持ちが強いですね。

475 VTI」 ¥15,400

PRのお仕事もコミュニケーションがすごく大事だと思うんですが、たくさんのひとと接する上で意識していることはあるんですか?

本山すごく基礎的なことですが、笑顔は大事にしていますね。明るくいることって魅力に繋がると思うんです。そうすることでポジティブな気持ちを伝えたいんです。

〈ニューバランス〉は「エイチ ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」でも、お取り扱いがありますが、本山さんはこのブランドに対してどんな印象をお持ちですか?

本山私たちがすごく大切にしているブランドのひとつですね。足によく馴染むイメージがあって、日本人の足にもすごくフィットするんです。なのでお客さまからも人気ですね。「〈ニューバランス〉以外は履けない」と仰る方もいるほどです。

本山ファッションに面においても、足元の抜けを上手につくれるブランドだと思っていて。とくに今回履いている「475 VTI」は、クラシックなデザインが特徴だから、モードな服と合わせるとよりコントラストが出やすいですよね。

コーディネートをすごく印象付けるシューズというか。

本山475 VTI」は「エイチ ビューティ&ユース ユナイテッドアローズ」でもお取り扱いのあるシューズなんですが、肌なじみのいいニュアンスカラーということもあって、あえて強めのモードな服に合わせてみました。今年の秋は引き続き、トップスがコンパクトでボトムが太いバランス感がトレンドだと思うので、そうしたシルエットを意識しつつ、グレーのワントーンの中でシューズもなじむように取り入れましたね。

今年のトレンドのシルエットにも「475 VTI」は取り入れやすいと。

本山ボリュームのあるボトムに、同じくボリューミーなシューズを持ってくると重たくなりすぎてしまうんですが、「475 VTI」はシルエットがすっきりしつつも丸みがあるので、上手にバランスを取ってくれるんです。あと、他のモデルと比べてもいろんなコーディネートと合わせやすいモデルだと思いますね。カジュアルにもいけるし、スポーティな着こなしにもフィットするので。すごくいいスニーカーだと思います。

Style 03:Dean Aizawa
1日中歩き回ることができそう。レトロなデザインも魅力的。

アイザワ・ディーン
高校を卒業後、サンフランシスコのAcademy of Arts Universityに留学。2016年に帰国したのちブランドコンサルティング会社で勤務。2020年にイラストレーター兼水彩画家になる。コワーキングスペースである「MIDORI.so」ではコミュニティーオーガナイザーとしても活動。現在はメンバーとして利用している。最近はYouTubeチャンネルも開設。自身の作成風景や、自然の景色を切り取った抽象的な動画作品をアップしている。
Instagram:@deanaizawa

このコンパクトなスケッチブックにいつも絵を描いているんですか?

ディーンこれは持ち歩き用で、気が向いたときにパッと取り出して、気になる景色をここに描いています。作品はアトリエで描いていますね。小さい頃から自然環境に慣れ親しんでいたので、山とかで描いたり、あとは旅行中も描いたり。これはどちらかというと練習とか、実験ぽいイメージで描いてます。

こんなにコンパクトな道具で、ここまで素敵な絵が描けるんですね。

ディーンそれが水彩画のいいところなんですよ。油だとモノが多くなったり、汚れもつきやすいし、匂いもあるから。これは飛行機の中でも描けるんです。

475 VTG」 ¥15,400

どんなときに絵を描きたくなるんですか?

ディーン本当に気分なんですよ。あまり自分はプランを考えるタイプじゃなくて、直感的なものを信じています。だから、そのときのムードで描きたいと思ったときに筆を取ります。フィールドへ出かけて、いいなと思う景色があったらそこに座ってゆっくり描くようにしてますね。だから毎日描いているわけでもないんです。

抽象と具象のあいだにある、独特な世界観が素敵です。

ディーン被写体を色と形としか見ていなくて。たとえば山の景色があったとしても、山として捉えずに、そこに見える色と形をスケッチブックに描くようにしているんです。山として描こうとすると、そこばかりに気を取られてしまう。それよりも、景色の中で光がいちばん当たって明るくなっているところはどこかな? とか、もっと広い視野で対象を眺めることが大事なんです。なんとなく、パズルのピースをはめていく感覚ですね。

ファッションではどういった服が好きなんですか?

ディーンアウトドア系の服とか、リラックスしたウェアが好みですね。自分はよく自然のなかへ行くから、やっぱり着心地のいいものを選びます。たまに今日みたいなきれいめな格好をしてみたりもするんですけど。今回はシューズが青かったので、ネイビー系でまとめてみました。靴かバッグをカラーアクセントにすることが自分は多いです。

475 VTG」を履いてみて、いかがですか?

ディーンすごく履きやすいですね。街の中でもよく歩くから、これだったら1日中動き回ることができそう。デザインもレトロでいいですね。

80年代の長距離ランナー用のトレーニングシューズからインスパイアされて生まれたデザインなんです。

ディーン色のトーンが統一されていて、パステルカラーでまとまってていいですね。あと、青くて静かなカラーリングが好きです。自分に合う色だなって思います。これも言語化できる理由はなくて、直感的なものなんですけど。水彩っぽい空の色だからかな(笑)。日常で履いて、いろんなところに行きたいですね。