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〈ニューバランス(New Balance)〉といえばグレー。グレーといえば〈ニューバランス〉。それは単なるイメージでありません。〈ニューバランス〉を象徴するカラーであるグレーは、ランニングシューズに端を発し、長い歴史のなかで時間をかけて醸成してきたブランドのアイデンティティにほかなりません。そんな〈ニューバランス〉は、5月の1ヵ月間を「グレー デイズ(Grey Days)」と位置づけ、特別な企画や様々なキャンペーンを展開しています。これを機にあらためて考えてみたいのが、なぜ、ぼくらは〈ニューバランス〉のグレーに惹かれるのかということ。ありふれた定番色であるグレーが、どうして〈ニューバランス〉の手にかかると、これほど魅力的に映るのか。スニーカーに一家言持つ3人が語り合います。
[左] 笹岡莉紗 / PR・キャスティング
モデル、タレント、アパレルブランドのプレスなどを経て、現在はPR会社で宣伝やキャスティングの業務を手掛ける。
Instagram:@sasarisa0110
[中央] 堀家 龍 / フリーランスディレクター
古着店やセレクトショップでの販売、バイヤー、PR職などを経て、2012年に「WISM」の立ち上げに参画。23年よりフリーランスのディレクターとして活動。
Instagram:@ryu_horike
[右] 横町 健 / anea Group CEO
2008年、「anea design」設立。塊根植物を中心としたショップ「BOTANIZE」やカフェ「anea cafe」など様々な事業を手掛ける。
Instagram:@aneaken
まずはそれぞれのスニーカー観をお聞かせください。みなさんにとってスニーカーとは?
堀家仕事柄、自分にとってスニーカーはファッションの一部として欠かせない存在。足元はほぼ毎日スニーカーです。
笹岡私もスニーカーが好きで、1年365日のうち、360日くらいはスニーカー。その日の着こなしにあわせて選ぶことが多いですね。
横町ぼくもスニーカーは大好き。というか、〈ニューバランス〉が好きすぎて、1年365日のうち365日〈ニューバランス〉を履いています(笑)。
笹岡えっ、そんなに!?
横町愛しているんです、〈ニューバランス〉を。いちばん気に入っているのは「990 v6」。グレーを3足と、黒を2足持っていて、その5足をローテーションして履いています。
横町さんはいつから〈ニューバランス〉が好きなんですか?
横町学生時代からずっとです。これまでいろんなモデルを履いてきましたが、〈ニューバランス〉にハマる決定打になったのは、「993」と出合ったこと。小さめのNロゴにボリューミーなフォルム、そしてシュータンにあしらわれた“Made in USA”の刺繍。何より、履き心地があまりにも素晴らしくて。以来、スニーカーは〈ニューバランス〉一辺倒です。
笹岡〈ニューバランス〉の履き心地、いいですよね。歩きやすくて、疲れにくく、履くだけで足が守られている感じがします。
堀家長年服屋に勤めてきた自分にとって、スニーカーは多少履きづらくてもカッコよければそれで良しと思っているフシもありますが……。とはいえ、履きやすいに越したことはないですよね。
横町はい。履き心地はとても大事だと思います。
堀家ちなみに、「993」、ぼくも愛用していますよ。普段履きではなく、ランニングで。
笹岡だいぶ履き込んでいますね! どれくらい履いてきたんですか?
堀家これを履いて週3回ほど、約8キロ走るのが習慣。10年履き続けてボロボロですが、思い入れがあるんです。
どうしてランニングシューズとして「993」を?
堀家走っているときもカッコつけたいなって思いまして(笑)。汗だくでコンビニに入っても、足元がこれだとちゃんとした人に見えるかなっていう勝手な思い込みもあります。それと、「990」番台はベースがランニングシューズなので問題なく走れちゃうんですよね。だいぶ年季が入ってきたのでストックを買ったんですけど、愛着が強すぎてなかなか変えられなくて…(笑)。
横町わかります。私もやっていますよ、ランニング。約10キロを、ほぼ毎朝。
堀家横町さんも走っているんですね。足元は〈ニューバランス〉?
横町もちろん。「993」と「2002R」を気分によって履き分けています。〈ニューバランス〉好きからは「これで走ってるの⁉︎」と驚かれますが。
5月は〈ニューバランス〉の「Grey Days」です。〈ニューバランス〉を象徴する「グレー」について、みなさんはどう捉えていますか?
笹岡〈ニューバランス〉は昔から大人っぽいイメージがあります。カジュアルはもちろん、上品な着こなしにも違和感なく合わせられる。その代表的なカラーがグレーかなと。
堀家自分のワードローブのなかに、グレーのアイテムってほとんどないんです。あるのは、スエットの上下と、〈ニューバランス〉のスニーカーくらい。そういう意味では、グレーは中間色でありながら、力強さを持った色かなと、ぼくは捉えています。
横町ぼくはスニーカーに限らず、グレーが大好き。服も、クルマも、家具も、事務所の内装も、身の回りはすべてグレーで埋め尽くされています。〈ニューバランス〉のスニーカーは70足ほど持っていて、そのうち7割がグレーです。
堀家徹底していますね…。なぜそこまでグレーに惹かれるんですか?
横町なんだろう…。そこにグレーがあるから、かな。すみません、うまい表現が見つからなくて(笑)。自分なりに分析すると、幅の広さに惹かれるのかも。黒は黒、白は白とハッキリしているけれど、グレーは違うでしょ。ひと口にグレーといっても、ライトグレー、チャコールグレー、ダークグレーなどいろいろあって、濃淡や光の当たり方によって印象が変わる。そんな幅の広さがいいんです。
笹岡わかります! ファッション的な視点で考えると、グレーは中間色だから、ほかの色と喧嘩せず、どんな色のアイテムでも合わせやすいのが魅力ですよね。
堀家グレーって、その人の個性が出る色、と言えるかもしれませんね。
笹岡同感です。ワントーンでまとめるのか、黒を入れて締めるのか、あえてヴィヴィッドな色を持ってくるのか。合わせる色によって個性を出せるのが、グレーの魅力だと思います。
最後に、今年の「Grey Days」で発売される新作コレクションのなかから、3人が特に気になったモデルをピックアップ。それぞれの着こなしとともに紹介します。
笹岡さんは「327 GA」をチョイス。1970年代のランニングシューズをベースにしたデザインや、側面のビッグNロゴが特徴のモデルです。
「レトロな佇まいや存在感のあるヒールのデザインが気に入りました。今日のコーディネートは、Tシャツやスエットショーツといったスポーティなアイテムをベースに、赤いチュールキャミソールを差し色としてプラス。足元に抜け感を出すために白い薄手のハイソックスをあわせたこともポイントです」(笹岡)
堀家さんは「Fresh Foam X 1080 v13」をセレクト。ソフトで軽量なフォーム材「フレッシュフォーム X」をミッドソールに搭載したパフォーマンスランニングシューズのライフスタイルモデルです。
「濃い目のグレーの色味にあわせて、全身を淡いブルー系でまとめてみました。このシューズ、ランニングからデイリーまで幅広いシーンで活用できそうですね。履き心地も軽やかで快適。『993』がそろそろ限界なので、試しにこのシューズで走ってみたいと思います」(堀家)
横町さんが選んだのは、「574 LGG」。スエットとスエードのコンビ素材のアッパーや、さまざまなトーンのグレーを組み合わせた配色が特徴です。
「素材の風合いやグレーの色合いがスゴくいい。このシューズに合わせて、トップスをグレー、パンツをブラックでまとめてみました。自分にとって定番のモノトーンスタイル。一年中だいたいこんな感じかな(笑)。『574』を履くのは久しぶりですが、以前よりも履き心地が良くなっている気がしますね」(横町)
〈ニューバランス〉といえばグレー。グレーといえば〈ニューバランス〉。今回の「グレー デイズ」にあわせて、魅力的な新作が多数登場しています。豊富なラインナップのなかから、お気に入りの一足を見つけてみませんか。