SHOP STYLE FOR ML703
都内近郊にある注目のショップが提案する ML703のためのスタイル。

- FEATURE

渋谷、原宿、新宿といった都内屈指の繁華街ではなく、あえて商圏から外れた場所でオープンしているお店が盛り上がっています。商業主義的なアプローチをするではなく、自分たちのこだわりを第一に考え、地域に根ざしたサービスや商品を提供する。それは、本来あるべき商いの姿ともいえるでしょう。そのカタチを体現する5つのショップの要人たちに、先日リリースされた〈ニューバランス〉「ML703」を履いてもらいました。トレイル、オフロード用のシューズとして2000年に発売されたアイテムの復刻バージョン。彼らはこのシューズをどう履きこなすのでしょうか?

トレイル用のシューズ「ML703」が待望の復刻!

〈NEW BALANCE〉「ML703」 各¥9,000+TAX
※ブラックを基調にネオンカラーを差し色に使用した「ML703BF」はABCマートでのみ取り扱い。

2000年にトレイル用シューズとしてリリースされた「ML703」が、この度待望の復刻を遂げました。たくさんのステッチを配したテクニカルなデザインやボリューミーなシルエットは、現代のファッションの潮流と通ずるなにかを感じます。ミニマルかつソリッドな配色のアイテムから、未来的な色使いのものまで、幅広いカラーバリエーションも魅力。

このアイテムを都内近郊で自身のこだわりを貫きながら個性を磨く5つのショップのスタッフに履いてもらいました。彼らが「ML703」のために用意したスタイリングをお楽しみください。

SHOP No.01 世田谷区若林「NOTEWORKS」
児玉裕史さん

「NOTEWORKS」について教えてください。

児玉はじめた時期はすごくぼんやりしてるんですけど、額縁のお店としてスタートしたのは2010年です。それ以前は趣味で2006年くらいからつくっていました。最近は知り合いのお店の内装なんかも手がけてますが、基本的には額縁屋としてやってますね。

むかしに比べると写真やアートを楽しむ人が増えて、それに付随して額縁の重要性に気づく人も多そうです。

児玉そうですね。あとはポスターや記念のフライヤーなどを飾る人もいますし、新しく家を買ってそこに飾るものが欲しいという人が家の中に眠っていた作品をベースにオーダーしてくれるケースもあります。

どんなことを心がけて額縁をつくっていますか?

児玉趣味ではじめたことなので、額縁に対する知識がゼロからスタートしてるんです。デザインのソースは映画から引っ張ってくることが多いですね。シーンの雰囲気とか、セットを見ながら、そこに合うものはどんなものだろう? と考えます。

児玉オーダーの場合はきちんとお客さんと話し合います。強いものが好きなのか、それともシンプルなものが好きなのかによってつくるものが変わってきますし、色味なんかもそうですね。好みを聞いてなにかしらヒントを得てから、お客さんがよろこぶものをイメージしてつくってます。

仕事のときに履くのはどんなシューズが多いですか?

児玉仕事柄、割とゴツめのシューズが多いです。というのも額を持って納品する際や、資材を運ぶときに足の甲を使うことが多いんですよ。重たいものや大きいものなんかは特に。だからシューズに使われている素材が薄いものだとなんとなく心細い気がして、きちんとしたクオリティのゴツめのシューズが多くなりました。そういう意味で「ML703」はぼくの仕事に合ってますね。

〈NEW BALANCE〉「ML703BD」 各¥9,000+TAX

〈ニューバランス〉は履きますか?

児玉むかしよく履いてました。裏原ブランドとのコラボもの。今回この企画にお声がけいただいて久しぶりに履いたんですが、まず箱を開けるときにワクワクしましたね。やっぱり〈ニューバランス〉は履き心地がいい。軽いし、歩きやすいし、なんか包まれている感じがいいです。

デザインなどはいかがでしょうか?

児玉ソールが厚くていまっぽい。こういう靴を履くのはじめてなんですけど、人気がでる理由がわかる気がします。

今日のコーディネートはどんなことを考えましたか?

児玉いつも通りの格好できました(笑)。基本的にはシンプルなものが好きなので、そんな感じです。あ、でも靴下は意識しましたね。シューズに使われてる傾向グリーンやオレンジを拾ってます。

SHOP INFO
住所:東京都世田谷区若林2-31-12 サンクレスト若林 103
電話:03-6450-7392
www.noteworks.jp/
instagram.com/noteworks

SHOP No.02 雑司が谷「CUP AND CONE」
依田亮さん

お店をスタートしたのはいつ頃ですか?

依田このお店をオープンしたのは2013年の3月なので、今年でもう8年目に突入しました。それまではウェブ限定でお店をやってました。もともとは自分で描いたグラフィックをシルクスクリーンでTシャツなどに手刷りをして売ってたんですけど、いまは自分の好きなグラフィックデザイナーに依頼して描いてもらったりしてますね。

パンツやキャップもオリジナルですよね?

依田そうですね。でもパターンを教わったわけでもなく、最初は自分のパンツを切って好きなシルエットに縫いなおしたりしてたのがスタートです。それを工場に持っていって量産してもらって、生地を変えたりだとか、裾にゴムを入れたりしながら、次第にアップデートしていきました。

“自分でつくる”というのが根底にあるような気がします。

依田学生時代に軽音サークルに入ってて、とはいえバンドで音楽を演奏するよりも、サークルのTシャツをつくったりウェブを更新する作業に熱中している自分にきづいたんです(笑)。「CUP AND CONE」はその延長みたいなところもありますね。もともとハードコア・パンクが好きで、BLACK FLAGなどを筆頭に80年代のアメリカのバンドにはとくに影響を受けています。そうしたバンドは商業主義に対してアンチでした。自分のことは自分でやるっていうスタンスを常にキープしてて、彼らの姿勢に感銘を受けているというのがいちばん大きいです。

長いあいだお店を続けていて、変わったことや変わらないことはありますか?

依田変わらないことはいま話したDIYの精神ですね。変わったのは、つくるものですかね。はじめはハードコア・パンクや自転車にまつわるものをつくっていて、それに固執してた時期もあったんです。でもだんだん自分のそのときの気分や好きなものを商品に反映できるようになってきました。ここ数年でダンスミュージックも聞くようになったし、その影響も出てると思います。

〈NEW BALANCE〉「ML703BC」 各¥9,000+TAX

依田そう考えると、履く靴にも変化がありましたね。まえはバンドのつながりでローテクのスニーカーだけを履いていたんですが、ちょうど7年前のお店のオープンのときに知り合いが〈ニューバランス〉の「990v3」をくれたんです。それがはじめての〈ニューバランス〉でした。それでとにかく履き心地がよかったのを覚えてます。ローテクしか履かないというのはつまらないこだわりだったな、と。履き心地がいいというのは正義ですね(笑)。最近は家から30分くらいかけて歩いて通勤しているんですが、そのときはほぼ毎日〈ニューバランス〉です。

「ML703」はいかがですか?

依田〈ニューバランス〉らしい安定したデザインはもちろんですが、ぼくはこのオールブラックの配色が気に入っています。普段は真っ白な靴を履きがちなんですが、ライブハウスやクラブに行くときとか、日常だと満員電車に乗るときなど、間違いなく踏まれて汚れるときなんかに、真っ黒っていいんです。すごく実用的な色ですよね。

この特徴的なボリュームに関してはいかがですか?

依田もともと〈ニューバランス〉を履いていたというのもあって、ぼくはとくに気にならないですね。「990v3」もボリュームがあると思うし、それに合わせて着る服のシルエットもだんだん変わってきて、今日もすんなり合わせることができました。

ボリュームのある靴には裾が絞られているパンツを履いて足元をスッキリさせることが多いです。〈ニューバランス〉を履くときはトラックパンツの出番が増えます。ただ、生地がナイロンだと穿けるシーンが限られるので、自分でコットン素材のトラックパンツをつくりました。今日はそれを穿いています。

SHOP INFO
住所:東京都豊島区雑司が谷3-3-14
電話:03-6914-0767
www.cupandcone.jp/
instagram.com/cupandcone_jp

SHOP No.03 幡ヶ谷「Nicetime Mountain Gallery」
田中紘一さん

このお店のコンセプトを教えてください。

田中普通のアウトドアショップでは商品がずらっと並んでいるところが多いんですけど、うちは「Nicetime Mountain Gallery」という名前にもある通り、アートギャラリーで作品をジッと眺めるように、ひとつ一つの商品を手に取ってじっくり見られるお店にしました。こうして店内にカウンターを設けているのも、これを挟んでお客さんとゆっくりお話がしたいと思ってのことなんです。

幡ヶ谷という立地もユニークです。

田中ずっと物件を探していて、条件に合うところがここだったというのもあるんですが、繁華街から離れることで、もっとゆっくり買い物を楽しむことができるんじゃないかと思いました。アウトドアが好きな方はクルマに乗っている人も多いと思うし、ここは来やすい距離だし静けさがあるのも大きいですね。

セレクトのこだわりはどんなところにありますか?

田中キャンプやハイキングで使うものや、ぼくらは自転車でキャンプへ行くバイクパッキングもやるし、トレランもすることもあるので、そうしたアイテムも多いです。ただ、とくにジャンルは気にしていませんね。デザインや使い勝手がいいものはもちろん、自分たちで使っていていいと思うものをセレクトしてます。

〈NEW BALANCE〉「ML703BE」 各¥9,000+TAX

田中さんは普段〈ニューバランス〉のアイテムを履きますか?

田中めちゃくちゃ履きますよ。どのモデルもクオリティにブレがないですね。最近はBOAシステムを搭載した「880」をよく履いてます。しばらく履かずに寝かせて、誰も履いてないだろうなという時期におろしました。

今日履いていただいた「ML703」はいかがでしょうか?

田中やっぱり履き心地は間違いないですね。あと、最近真っ黒しか買ってなかったので白が新鮮に感じます。でも、こんな品番がむかしあったなんて知らなかった。「M801」っていう品番があるんですけど、それはハイキングにいいかなと思って家にストックしてあって。そのモデルとこの「ML703」はデザインも似ていていいですね。このボリューム感とか、ステッチの使い方にいまっぽさを感じます。

コーディネートはどんなことを意識しましたか?

田中いまっぽい靴なので、ボトムもいまっぽく太いシルエットのものを合わせました。あとはシャツでキレイにまとめるという感じでしょうか。そんなに意識せずに日常の服にすんなり合わせられる靴だと思います。

SHOP INFO
住所:東京都渋谷区幡ヶ谷3-55-2
(平日はアポイント制)
nicetime-mountaingallery.jp/
instagram.com/nicetime.mountain

SHOP No.04 三田「BELTS」
国領浩樹さん

国領さんはずっと飲食業界にいらっしゃるんですか?

国領サラリーマン時代があったんですが、その会社も飲食に関係する会社でした。そこからアメリカンダイナーのお店で働いて、3年前に独立して「BELTS」をオープンしました。

オープンにあたって、どんなお店をつくろうと思っていたんですか?

国領たとえばイタリアンレストランって日本ではすごくオーセンティックな料理が出てくると思うんですけど、ぼくは一時期ニューヨークにいたことがあるんですけど、そこではメキシカンとかが働いていたりするんで自由な料理が多かったんです。「BELTS」もそうやって和であったり、メキシカンだったりをミックスして自分たちなりのイタリアンを目指そうと思いました。

国領あとは時代もどんどん変わってきていて、クラフトビールや自然派のワインが増えてきています。そうしたお酒と料理を楽しめるお店にしたいというのもありました。

お店のいちばんの売りはなんですか?

国領アットホームなムードですかね。お店は広々としていて居心地がいいし、ファミリーでゆっくり食事ができて、おひとりの方もカウンターで食事ができます。チャージ料を取ってないので、一杯だけというのもアリです。そういう意味ではいろんな使い方ができるお店だと思いますね。

〈ニューバランス〉のシューズは普段履きますか?

国領履きますね。4足くらい持ってます。どんな服にも合わせやすいというか、クラシックなイメージが〈ニューバランス〉にはありますよね。

〈NEW BALANCE〉「ML703BA」 各¥9,000+TAX

「ML703」はいかがでしょうか?

国領いま話した〈ニューバランス〉のイメージがきちんと守られているし、履きやすさなどのクオリティの部分も申し分なしです。軽いし歩きやすいです。あといまっぽいデザインも好きですね。きちんと存在感があって、ショーツとも合わせやすいです。普段は太いパンツを履くことが多いんですけど、この靴はボリュームがあるので、そうしたアイテムとの相性もよさそうですね。

コーディネートに関してはどんなことを意識しましたか?

国領足元は靴の配色に合わせたソックスを履いています。個人的にオレンジが好きなので、シューズの色を拾って、全体を暖色でまとめました。春なので軽やかな装いで気分を上げています。

SHOP INFO
住所:東京都港区三田5-6-5
電話:03-6453-8232
www.belts-mita.com/
www.instagram.com/beltsmitatokyo

SHOP No.05 北品川「天神湯」
岡村尚佳さん

岡村さんは「天神湯」の三代目だと聞きました。

岡村そうですね。「天神湯」は祖父の代からはじまったので、ぼくで3代目に当たります。いまは妻とふたりでこの銭湯を切り盛りしてます。

この銭湯の魅力はどんなところにありますか?

岡村個人的には空間ですかね。むかしの銭湯は天井が高くて気持ちのいい空間がありました。うちの建物も上はマンションになっているんですけど、銭湯らしい居心地のいい空間になるように日差しが入るような設計にしています。だからお客さんには、気持ちのいい日を浴びて贅沢に風呂に浸かって欲しいですね。

岡村あとはお湯も魅力です。黒湯と呼ばれる温泉で、これもみなさんよろこんでいただいて、遠方からいらっしゃる方もいるほどです。海が近い場所にあるので、古生代からの植物が分解されて有機物として溶け込んだお湯がでるんです。ミネラルをふんだんに含んでいるので、美肌効果がありますし、腰が悪い方がうちに通っていたらよくなったと言われたこともあります。

「天神湯」はファッション業界との繋がりもありますよね。コラボレートアイテムをリリースしたりしていますが、そこにはどういった経緯があるんですか?

岡村たまたまお客さんとして来ていただいている方や、ひょんなことから知り合ってそのままコラボするブランドの方もいます。ぼく自身、むかしからファッションが好きで、服屋さんとかブランドで働きたいという気持ちがありました。いまはここで働くのが好きなので、コラボという形でファッションと繋がりが持てるのはうれしいことです。先代からも「ああしろ、こうしろ」ということは特に言われていないので、空間にしても物販にしても、自分の好きなようにやれて幸せです。

〈NEW BALANCE〉「ML703BF(ABCマート限定カラー)」 各¥9,000+TAX

靴を選ぶときの基準はありますか?

岡村パッと見の直感で買いますね。女子みたいな買い方だってよく言われますね(笑)。機能とかは買って履いた後に気にするくらい、まずはデザイン優先です。

そんな中で〈ニューバランス〉はお持ちだったりしますか?

岡村持ってますよ。とにかく履きやすいというイメージが強いです。ぼくの足は幅広の甲高なんですが、〈ニューバランス〉の靴は長時間履いてても苦にならない。なので登場機会も結構多いです。

今回履いていただいた「ML703」はいかがでしょうか?

岡村この配色がとにかく目に入りました。ちょっと未来的な感覚がありつつ、モードっぽさもあってすごくファッション的な感じはしましたね。このボリューム感もいまっぽくていいと思います。

コーディネートはどんなことを意識しましたか?

岡村買い物とおなじで着る服もそのときの気分によってマチマチです。型にはまらずにいろんなものを着るんですが、最近はゴールドのアクセにハマっているので、それを活かすような格好が多い。だから今日も服はオールブラックでシンプルにしました。黒を基調にネオンカラーが差し色に入った靴なので、いまの自分の服装とも自然になじんだのがよかったです。服はシンプルに引き締めつつ、アクセと靴で主張のバランスをとるようなイメージですね。

SHOP INFO
住所:東京都品川区北品川2-23-9
電話:03-3471-3562
www.tenjinyu.com/
instagram.com/kitashinagawa_spa_tenjinyu