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今年3月にデビューし、〈ニューバランス〉のシューズを最も美しく見せることをコンセプトにしたパンツコレクション「ウエスト トゥ トウ(WAIST TO TOE)」。ローンチするやいなや、フラッグシップストアである原宿店では発売後3日で店頭在庫がほぼ完売。去る6月には第2弾も登場するなど、大きな話題を集めています。そして今度は、この「WAIST TO TOE」に合わせるトップスというコンセプトを掲げたレーベルが誕生。その名も「INCOMPLETE」。果たしてのその実態は? デザイナーを務めるキム ヒョッスさんのお話を伺いました。
改めて「INCOMPLETE」とは、どういったラインになるのですか?
キム ヒョッス(以下キム)「INCOMPLETE」とはその名の通り“未完成”で、このコレクション単体では完成しないという意味を込めて名付けたラインになります。 〈ニューバランス〉を象徴するプロダクトはあくまで長年の歴史の中で培われてきたシューズであり、それを最も美しく見せるパンツが「WAIST TO TOE」であり、更にその上に合わせるアッパーコレクションが今回の「INCOMPLETE」です。 なので、このアッパーコレクションだけでは〈ニューバランス〉ブランドは完成しないという意味で“未完成=INCOMPLETE”となっています。私個人としては、シューズが主演なら「WAIST TO TOE」や「INCOMPLETE」にはそれを引き立たせる助演の美学みたいなものがあると思っています。
「INCOMPLETE」を立ち上げるキッカケは?
キムシューズに合う機能美あるシティウェアとして「WAIST TO TOE」の構想があって、そのボトムスに合うファンクショナルなトップスを、ということで1シーズン遅れでスタートするのが今回の「INCOMPLETE」です。
では、「INCOMPLETE」も「WAIST TO TO」と同じデザインチームが手掛けているのですか?
キムはい。まだ規模が小さいのでデザインに関しては私一人でやっています。
キムさんは「INCOMPLETE」を〈ニューバランス〉ブランド内での位置づけをどのように考えているのでしょうか?
キムファッション感度的に3段階あるとして、1がハイファッション、3がマスボリュームだとすると、ちょうど2に位置するところです。 街着としても十分着られるし、すごく快適。“ありそうでなかった”と言われるようなさり気ないオシャレ感を意識しています。「WAIST TO TOE」はもちろん、手持ちのアイテムや、ニューバランスの他のアイテムともマッチするように、レイヤリング出来ることを意識しています。
やはり「WAIST TO TOE」同様に、高い機能性を備えているのですね。
キム全てのアイテムを合繊(ポリエステル、ナイロンなど)のみで仕上げることで、スポーツブランドならではの機能性(伸びる、軽い、暖かい、冷たい、濡れないなど)を組み込んでいます。また綿タッチとかウールタッチとか、天然素材の質感を合繊で表しているのも特徴です。
その機能素材の一つとしてタイベックを採用していますよね?
キム軽さと保温性、生地の薄さ、質感の面白さからレイヤリング(重ね着)したときに、“ありそうでなかった”、いい違和感を与えてくれそうだったので2型で採用しました。
「INCOMPLETE」は、全アイテムが黒か白のモノクロですね。その理由は?
キム質感(素材)の違いだけで、「アイテムごとにどれくらい異なった表情を出せるか」を裏テーマにしています。加えて〈ニューバランス〉のシューズはカラバリも豊富で様々な色があるので、そのいずれにも合うようにモノクロにしてます。
「WAIST TO TOE」はもちろんですが、それ以外のアイテムに合わせても相性が良さそうですね。
キムワイドショーツとか短パンに合わせるのは面白いと思います。あえて超天然素材のパンツを持ってくるのもいい違和感が生まれそうです。
では、最後に「INCOMPLETE」の今後の目標や方向性、展望を教えて下さい。
キム“ありそうでなかった”、いい意味での違和感を大切にしていきたいです。「WAIST TO TOE」もそうですが、気づいたらいつもコレ着てると言ってもらえるような服作りができればいいなと思います。