藤井隆行が語るラコステ。コラボアイテムの誕生秘話とスニーカーの魅力。

What is attraction of LACOSTE?

マイペースに自身のクリエイションと向き合う一方で、毎度話題になるコラボレーションを実現させる〈ノンネイティブ〉。2016年には〈ラコステ〉とタッグを組んだ “襟なし” のポロシャツをデザインし、多くの人を驚かせました。「意味のあることをやらないとお客さんに届かない」とはデザイナーである藤井隆行さんの言葉。今回はそんな藤井さんのクリエイティブの源泉を紐解きつつ、〈ラコステ〉のランウェイショーで発表されたスニーカーに関しても語ってもらいました。

藤井隆行

デザイナー。奈良県出身。UKブランドの旗艦店や国内のセレクトショップのスタッフを経て、2001年に〈ノンネイティブ〉のデザイナーに就任。旅から得たインスピレーションをデザインに反映させている。また、さまざまなブランドとのコラボレートも積極的に行う。
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ラコステが思いつかないことをやらないと意味がない。

藤井さんが〈ラコステ〉に抱くイメージはどんなものなのでしょうか?

藤井紳士のカジュアルというか、やっぱりきちんとしている印象です。長袖と半袖のポロシャツを両方持っていて、賢そうに見せたいときに着ますね。

はじめて〈ラコステ〉のポロシャツを買ったときのことを覚えていますか?

藤井18歳くらいのときかな? 当時はまだフランス製でした。いまでもそうだけど、いわゆるスタンダードなアイテムのひとつで、ファッションが好きなら持ってないといけないものだと思っていました。もともとアメリカのブランドのポロシャツを持っていたんですけど、それはすごいカジュアルな印象だったので、「ちゃんとしたものを」という意味で〈ラコステ〉を買わなきゃと思ったのを覚えています。

やはり〈ラコステ〉と他のブランドでは全然違うと。

藤井当時、古着屋のお兄さんから「やっぱりアメリカでしょ」っていう擦り込みがあったんです。でも、もうちょっと大人になったときにフランス製への憧れがでてきましたね。

2016年春夏シーズンには〈ノンネイティブ〉と〈ラコステ〉のコラボレーションアイテムがリリースされました。このアイテムはどんなきっかけで生まれたんですか?

藤井「ベンダー」と「ビューティ&ユース(ユナイテッドアローズ)」で販売したんですが、もともとは「ビューティ&ユース」から話がきたんです。それ以前も別注をやっていたそうなんですが、これまでとは違うことをやりたいということで声を掛けてもらって。

当時、襟のないポロシャツということで話題になりましたね。

藤井「襟を取るくらいやらないとやりようがないですよね」っていう話をしたら、意外とすんなりOKをもらえて(笑)。襟つきだったらやる必要がないと思いました。それくらい完成されたデザインだから。どうやら〈ラコステ〉の本国のスタッフが〈ノンネイティブ〉を知っていたようで、それで気に入ってくれたみたいなんです。絶対断られると思ったんですけど(笑)。

さらにデザインを加える余白がないと。

藤井色を変えたりしただけでは伝わらないじゃないですか。ブランドサイドが思いつかないようなことをやっていかないと意味がないし、〈ラコステ〉としてもメリットがない。名前だけで売れる時代ではないので。

デザインを考えるときはアーカイブをご覧になられたんですか?

藤井見てないです。ただ、古着っぽ風合いを出したかったので、全部後染めしています。これをやるの、すごい大変なんですよ。それとネームタグもいまは使われていない古いものに似せました。あとは店頭で売る際に普通にハンガーにかけて吊るすんじゃなくて、付属の袋にクシャッと入れて、取り出したときにより古着っぽい雰囲気を楽しめるようにしましたね。

作って終わりではなく、その先のこともきちんと考えてパッケージングしたと。

藤井店頭に並んだときに、どれが別注なのかわからないことが多い。パッと見たときに “普通とは違う” というのが分からないと、お客さんとしてもそのお店で買う理由が見つからないと思うんです。〈ラコステ〉のように広く認知されたブランドならなおさらそうですよね。

襟を取る以外にアイデアはあったんですか?

藤井これ、今日持ってきたんですけど、〈ラコステ〉の鹿の子素材のクルーネック。でも、これに似たようなのがいまも売られているんですよね。それに「クルーネックのポロシャツ」って言うよりも、「襟のないポロシャツ」って言った方がインパクトがある。だから、そういうことも考えながらデザインした結果こうなりました。

記事の見出しとしても、「襟がない」と書いたほうが印象が強いですね。ちなみにこのクルーネックはいまでも着るんですか?

藤井全然着ます。むかしラスベガスで買ったものなんですけど、すごい流行ったんですよ。当時はサイズが大きかった印象だけど、いまのトレンドと照らし合わせて着るとちょうどいいサイズ感ですね。

コラボアイテムの実際の反応はいかがでしたか?

藤井結構な量をつくったんですけど、予想をはるかに上回る早さで売り切れちゃったんです。とくに若いお客さんに人気でした。〈ラコステ〉っていうと、やっぱり30代以上の人が着ているイメージがあるから、従来と異なる年齢層にリーチできたのはひとつの収穫だったんじゃないかと思います。

コレクションはシューズからデザインしていく。

シューズに関することも聞いていきたいんですが、藤井さんは普段からいろんな靴を履いているイメージがあります。

藤井いろんな靴をチャレンジしてます。いろんなものを見るようにしているんですが、一方では好きなものの幅がどんどん狭くなっていっている気もしています。ひとつ言えるのは、王道のシューズはあまり履かないということですね。

それはどうしてなんですか?

藤井メンズのファッションって、靴くらいじゃないですか、人との違いを見せられるのは。だからみんなが履いているような王道的なものは、たまに履くくらいがちょうどいいのかなと。

シューズで差別化をしていると。

藤井目立ちたいわけでもないんですけどね。「自分はこれだ」っていうのは決めつけないようにしています。だから失敗も多いんですけど…。

最近気になっているシューズはありますか?

藤井最近だとデザートブーツとか、スニーカーだとスポーツブランドのコラボものを履いてます。ただ、ここ数年でいろんなスニーカーを一通り試した感覚があるので、今年の秋冬はなにを履こうか考えているところですね。〈ノンネイティブ〉で自分がデザインするものに関しては、絶対自分が履くという目線でつくっています。

いろんなシューズを履くことで、デザインに活かされたりはしますか?

藤井コレクションをつくるときに、一番最初にデザインするのは靴なんです。まずは靴をつくってから、それに合うボトムであったりトップスを考える。履きたい靴によって裾の幅も変わってくるだろうし、リブになっているほうがいいときもあるし。とにかく、靴をつくるとおのずと服も決まってくるんです。

靴が最初に頭のなかに浮かぶんですか?

藤井そうですね。スタイリングをイメージするので、ボリュームがある靴がいいとか、ローテクがいいのか、スポーティなものがいいのかとか、ざっくりと。

毎日のコーディネートも靴から決めるんですか?

藤井秋冬はアウターとのバランスもあったりするので、違うんですけど。暖かい季節はそうですね。

シューズのレトロな雰囲気を引き出したい。

今回は、パリで発表された〈ラコステ〉の2018年秋冬コレクションのショーで発表されたスニーカーをご覧いただいていますが、第一印象を教えてください。

藤井ランウェイで使っているのに、すごく控えめなデザインだと思いました。普通ならもっとインパクトのあるものをつくったりするんだけど。だから逆に大胆というか、斬新だなと思います。これ、モチーフにしたものはあるんですか?

80年代のテニスシューズがモチーフになっています。

藤井やっぱりそうなんですね。テニスとクロストレーニングの要素が混ざってますよね。こういうシューズはぼくらの規模でつくろうと思ってもできないんで、単純にすごいな、と。

そうなんですか?

藤井できたとしても、値段がすごく高くなってしまう。とてもじゃないけど2万円代では出せないです。

藤井さんから見て、このシューズの魅力はどんなところにあると思いますか?

藤井ソールがいいですよね、80年代のムードが香ってきて。あとはこのベルクロもユニークだと思います。別ブランドですけど、マイケル・J・フォックスが履いてそうな雰囲気もありますね。

最後に、実際にこのシューズを使ってスタイリングを組むとしたらどんなコーディネートにしますか?

藤井服はすべてブラックにしてこの靴を合わせたいです。あえてこのスニーカーとのコントラストをつけて、シューズのレトロな雰囲気を引き出したいです。ちょっとモードっぽい感じですね。

80年代のテニスシューズをモチーフにデザインされた一足。アウトソールのデザインや、アッパーのベルクロがレトロなムードを漂わせる。サイド部分に控えめにあしらわれたワニの刺繍もポイント。スポーティながら派手さのないデザインで、取り入れやすさも魅力。MISSOURI MID 318 1 RWY 各¥22,000+TAX

ラコステお客様センター

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