Lifestyle collection from Tokyo 東京から世界へ。東京デザインスタジオ ニューバランスとは一体なにか?

- FEATURE

10月6日、〈ニューバランス〉より新たなシューズとアパレルのカプセルコレクションとなる「TOKYO DESIGN STUDIO New Balance(トーキョーデザインスタジオ ニューバランス)」の第一弾が発表されました。“REVEAL(明らかにする)”をコンセプトに、名品「1300JP」にインスパイアされた新作シューズ「R_C1」をはじめ、新たなテクノロジーとデザイン性をまとったウェアがラインナップ。その内容はもちろんのこと、「そもそもTOKYO DESIGN STUDIO New Balanceとは?」「既存のインラインとのちがい」などを同スタジオのクリエイティブデザインマネージャー・守谷周庫氏にうかがいます。

  • Text_Jun Kumayama
  • Edit_Shinri Kobayashi

モリタニ シュウゴ/トーキョーデザインスタジオ/クリエイティブ デザイン マネジャー

ライフスタイルラインとしての顔。

アメリカ・ボストンの本社をはじめ、イギリス、東京にデザインチームの拠点をもうける〈ニューバランス〉。その中で、「TOKYO DESIGN STUDIO New Balance(以下、TDS)」はどんな立ち位置なのでしょうか。

モリタニ〈ニューバランス〉は、グローバルでカテゴリーごとにチームにわかれていて、TDSはライフスタイルチームのなかのひとつのセクションというポジションです。スポーツとしての側面が強いパフォーマンスシューズではなく、今も昔もアジアではライフスタイルとしてスニーカーを履くカルチャーが人気で、その中心地となる東京から新しいものを発信しようという狙いで2012年に誕生しました。

今回、ファーストカプセルコレクションとして、シューズとウェア一式が展開されるわけですが、そこにいたった経緯はなんでしょうか?

モリタニ実は2014年ころからTDSが手がけたアイテムはグローバルで展開していたんですが、インラインとの区切りはなくTDSブランドを前面に押し出すということもしてなかったんです。デザインも今回のように、TDSのロゴが入っていたわけでもありません。でもブランディングしたいね、という話は設立から常にありました。各リージョン、特にアジア、ヨーロッパからの要請もあり今季から「TOKYO DESIGN STUDIO New Balance」として本格展開するということになりました。

TDSから発信される新機能とデザイン。

ライフスタイルということで、ファッション性が高いということになるのでしょうか?

モリタニそれだけではありません。TDSのミッションは、新しいテクノロジーやデザインを、通常のラインに先立って取り込んでいくという役割を担っています。もちろん、ニューバランスはクラシックを大事にするブランドですから、デザイン性や質の良さは外さないようにしながら、今までにない〈ニューバランス〉を作っていくのがTDSの使命かなと思っています。

そのシンボル的な存在がグローバルローンチする「R_C1」かと思いますが、その特徴は?

モリタニ2つ大きなテーマがありまして、ひとつが「エンキャップリビール」という新しいソールテクノロジーです。もともとエンキャップはミッドソールの頑丈なPU素材に、衝撃吸収性に優れたEVA素材がコアとして封入されたもので、高い安定性とクッション性を実現していました。今回はより衝撃吸収性・反発弾性がアップデートされたコアに埋め込んだEVA素材が“リビール”、つまり可視化されているのがコンセプトです。R_C1というモデル名も“リビールコンセプト1”という意味からきています。元々、「エンキャップ」は1985年に登場した「M1300」に初めて搭載されたニューバランスを代表するテクロノジーなので、今回ファーストモデルとなる「R_C1」に「M1300」カラーを採用しています。

今までミッドソール内に隠れていたEVA素材がむき出しになっているというわけですね。成型色そのままのポップなブルーが目を引きます。また、PUもアップデートされていてサポート性が向上しているそうですね。

モリタニはい。そして、もうひとつが『トレースファイバー』です。これはヨットの帆やF1マシンの素材にも使われているテクノロジーで、「R_C1」では薄いガーゼ状のベースに刺しゅうの4層レイヤーでアッパーを構成することで軽さ、強さ、通気性の高さを実現しました。また、ニット以上にピンポイントで必要なところに補強やデザインを施すことができるのも特長ですね。

では、アパレルはどうでしょうか?

モリタニシューズ含めて、このファーストカプセルコレクション全体を“リビール”というコンセプトで統一しています。クルーネックのスウェット(上の写真左のモデルが肩がけしているもの)も、メッシュとジャージの多層構造になっていて、内側のニューバランスのロゴが透けるようにデザインされています。ここも、リビールですね。また、3WAYコート(上の写真右のモデルが重ね着しているもの)はグレーのリップストップナイロン製のコートに、ブルーのプリマロフト製のライナーが付くという、これもまたEVA素材からインスピレーションを受けています。

いずれも機能的なアイテムが揃っていますが、一方でヘビーウェイトコットンを用いたオーセンティックなTシャツも取りそろえるなど、天然素材の良さを忘れていないのも〈ニューバランス〉らしさと言えるかもしれません。

ライフスタイルに根ざしたコレクションだからこそ、どんなお客さんとリーチするのかも重要なのでは?

モリタニシューズは全世界70店舗のみの展開です。日本では「ドーバー ストリート マーケット ギンザ」「ビームス」「ユナイテッド・アローズ」など、ライフスタイルとファッションの親和性が高いところで展開していきます。アパレルは日本のみでの展開なので、海外のお客さんもチェックしてくれるといいなと思ってます。

ちゃんとしたコレクションとしては始まったばかりですが、今後の展開はどうでしょうか?

モリタニ来年以降も新しいアイテムを用意していまして、特に「R_C1」のもつ「リビール」コンセプトが他のアイテムにも広がっていく予定です。ファッションを中心に、他ブランドとのコラボも予定していますので、お楽しみに!

イベントでのお披露目。

〈ニューバランス〉が打ち出す新基軸のライフスタイルウェアとして、登場した「TOKYO DESIGN STUDIO New Balance」。10月6日(土)から、「ドーバー ストリート マーケット ギンザ」にてポップアップイベントが開催されています。

〈ニューバランス〉の代名詞的なカラーである、グレーを基調としたコーナー。TDSの各アイテムが陳列されています。「ドーバー ストリート マーケット ギンザ」でポップアップをするという事実からも、このカプセルコレクションがファッションとの親和性が高いことが伺え、スポーツとファッションの距離がますます近づいていることを予感させます。

コレクションの詳細は、こちらのサイトをチェックしてみてください。