Interview with Naotake Magara , Yoshifumi "YOPPI" Egawa & Shigeyuki Kunii about MRT580 20th ANNIVERSARY

580 20th1b.jpg

今回、ニューバランス「580」の"20th ANNIVERSARY"を機に、その歴史に深く関わりのある"3者"、現「A-1 CLOTHING(A-1 クロージング)」「M.V.P.(エムブイピー)」の代表である真柄尚武(マガラナオタケ)氏、現「Hombre Niño(オンブレニーニョ)」と「PLUS L by XLARGE_(プラスエルバイエクストララージ)」のディレクターを務める江川芳文(エガワヨシフミ)氏、そして「mita sneakers(ミタスニーカーズ)」の国井栄之氏が集い、新たなアニバーサリープロジェクトを始動。4月16日(土)に新たなコラボレーションモデルをリリースするとのことで、お話を伺ってきました。


--この企画がスタートした経緯から訊かせていただけますか?

国井栄之(以下国井/敬称略): 「580」がリリースされてから20周年というアニバーサリーを迎えまして、そのタイミングでニューバランスから「今の580の礎を築いたのは、真柄さん(A-1 CLOTHING)とYOPPIさん(Hombre Niño)というお二方の存在が大きく、ミタスニーカーズ(mita sneakers)とともに別注を手掛けていたという経緯があったので、世界のキーアカウントが絡むアニバーサーリーイヤーの年間を通した企画の中で、オリジネーターとして再度別注を手掛けて欲しい」とリクエストをいただきました。

580 20th4.jpg

--それで別注企画がスタートするわけですが、お三方として、どういう風に商品に落とし込んでいったんですか?

国井: 3人で、まずミーティングをしました。今までの歴代の「580」って、YOPPIさんがよく例えているPKじゃないんですけど、キッカーが毎回異なっていた感じだったので、じつは3人一緒にミーティングして作るって今回が初めての試みで、どうやって進めていくかは模索しながらでした。

--そうだったんですね。実際、どういった感じで進めていったんですか?

YOPPI(以下江川"YOPPI"芳文/敬称略): 最初はフリーというか、それぞれが思いついたアイデアを持ち寄って進めたんですが...。正直、僕はだいぶ時間が空いてしまっていたので、国井くんに「できない!」って言いました。

580 20th7.jpg

一同笑

YOPPI: 「どうしよう...、どこから手をつけよう」の動機付けをしたら良いんじゃないかって、「できない」ことをちゃんとアピールして理解して貰いながら、手をつけていきました。

--最初のアイデアって、どういったものだったんですか?

国井: 基本的には、真柄さんとYOPPIさんにフリースタイルでアイデアを出して貰ったので、最初のミーティングを経た後のデザインミーティングでは、本当にまったく異なるテイストのアイデアをお二方が出してくださいました。

--真柄さんは、20周年で3人で作るということで、「どんな風にしたい」というアイデアがあったんですか?

真柄尚武(以下真柄/敬称略): 「三者でやるからトリコロールにしよう」っていうのは、いつ上がったんだっけ?

580 20th6.jpg

国井: 2回目のミーティングの時です。先日復刻された1stカラー同様のモノはオリジナルカラーであって、コラボレーションモデルは素材をアップデートしてるんです。その後にリリースされた2ndのトリコロールの方が特に印象的でしたし、真柄さんがステューシーと手掛けた白ベースにジャマイカカラーを落とし込んだ「580」も記憶に残っているので、「その反転バージョンがあっても面白いかもしれない」ってアイデアが出たんです。あとは、「三者がそれぞれ違う形で再度集まるから、キーワードでトリコロールっていうのもアリなのかもね」って話が進みました。

--それですんなりと、別のアイデアに切り替わることなく、進行していくわけですか?

真柄: そうですね。すんなり進み出しました。

国井: それで「トリコロール」っていうお題で一度持ち帰っていただいて、その後アイデアを出していただきました。それで上がったきたのが、まさに今回の別注モデルの感じ。一方、リミテッドカラーで進行した白ベースのトリコロールっていうモデルがありまして、そちらは真柄さんのアイデアをベースに商品化されているんです。本来は1モデルっていうお話だったんですが、どちらも出来が良かったので、もう一足はコラボレーションと連動させたリミテッ
ドモデルとしてリリースすることになりました。

--インラインっぽくない落とし込みだと思っていたら、そういうことだったんですね。

国井: それでカラーリングが決定してからのインソールのグラフィック面は、真柄さんにお願いしました。

580 20th12.jpg

--今回のモデルに落とし込んだディテールで、思い入れのある要素っていうのはあるんですか?

真柄: 昔作ったモデルの雰囲気は残しつつ、シューレースにつけるチャームなどを足したりして、当時を知ってる方がニヤリとするようなディテールは入れたかったですね。

--サンプルを作り始めてから、大きな修正はなかったんですか?

国井: 早い段階で納得のいく仕上がりになりましたよね。

真柄: 決まってからはスパッと。

--トリコロールの配色のポイントはあったんですか? どこに、どんな色を使うとか?

YOPPI: 一番最初に2ndで手掛けたトリコカラーのときとは、色づけできる部分が若干異なったんです。当時はフロントソールにトリコロールを持ってくるっていうのが新しいっていう提案だったんですが、今回はシームテープだったりでハイテクな要素が増え、ソールも新しくなったりしていて、パーツも全然違いましたし、トリコロールっていうと白をベースにするイメージが強いと思うんですが、今回はネイビーをベースにして白と赤を挿し色として使ってみました。個人的にネイビーのスニーカーが欲しかったので。

580 20th3.jpg

--ネイビーのスニーカーが欲しくなる、何か理由があったんですか?

YOPPI: たぶん、大人になったんだと思います(笑)。2ndで手掛けたトリコカラーが白ベースだったので。

580 20th9.jpg

--ベースとなるネイビーの色めは、どんな風に選んだんですか?

YOPPI:  リジットのデニムに合うような色を選んだんですが、パーツによる素材の違いでネイビーの色めが変わらないように、とはお願いしました。

--今回はアップデートされた「MRT580」がベースになっていますが、実際履いてみて感想はいかがですか?

YOPPI: 実際に履いたら、当時の半分くらいの軽さで、驚きました。それから、変わりながら20周年も迎えるなんてハンパないなって。このモデルを好きだった方には良い提案になるかなとは思っています。

--実際に商品が上がってきて、仕上がり具合などはいかがでしたか?

YOPPI: 僕は最初「できない」ってところから始まってトリコロールに決まってパッとできたので、そこら辺のアクセスも早く、すぐ納得できました。サンプル上がってからのニューバランスのテクニック面は信頼しているので諸問題はないですね。ただ、細いところは細い人に...。

一同笑

--とのことですが、真柄さん的には?

真柄: 最初にデザイン画で見たものがきちんと3D化されていて、イメージのまま上がってきたので納得の仕上がりです。

580 20th8.jpg

--国井さん的には?

国井: 僕は今回はデザインにはほとんどタッチしていなくて、関わったのはライニングの素材だったり、ロープレースの追加だったり、あとは生活防水程度の加工を追加していたり、見えない部分とか靴屋っぽい部分なんですが。当時はオーバルシューレースを合わせるのが新しく見えて、それを「580」には使っていたんですが、今のテンションだとロープレースの方が気分なので、切り替えたりだとか。

--「580」が登場して20年、そしてコラボレーションを始めて16年ほど続いていますが、どんな思いですか?

真柄: 感慨深いですね。

YOPPI: 僕らが気にし出して買ったのが、既にリリースの4年後だったんですね。

国井: 恐らく1996年にリリースされて、翌年にワゴンセールになって、1999年にはコラボレーションのミーティングが始まっているので、3年くらいですかね。

YOPPI: そんなに存在に気づいてなかったっていうのが、ショックでしたね。

--でも、きっちりと火を付けて、アジアでは最も人気のあるモデルのひとつに成長してますから、スゴイです。

国井: 一番嬉しいのは、かつて「580」でコラボレーションをやって、海外で展開するときにアメリカの広告でも打ち出してくれたりだとか、コラボ10周年のタイミングでグローバルで年間通しての企画を実践できたりだとか、レブライトを搭載させたアップデートモデルをリリースさせるタイミングでもお話をいただいたりだとか、そして今回の20周年でもコラボができたりとか。つねに、ニューバランスが「580」というモデルに関してはリスペクトもしてくださっていますし、気にかけて一緒に何かをやろうってお話をくださる、そのスタンスには本当に感謝しかなくて、もし今後も「580」が定番モデルとして進化を続けていくのであれば、そのターニングポイントでお声をかけていただけるなら最高だなとは思います。

YOPPI: 街中で履いてる方を見るだけで幸せですね。ソールが半分ぐらいに減ってしまってる人とか見かけますし、嬉しい限りです。

580 20th2.jpg

_MG_6199.jpg_MG_6201.jpg

MRT580 "Naotake Magara(A-1 CLOTHING) x Yoshifumi Egawa(Hombre Niño) x Shigeyuki Kunii(mita sneakers)" "580 20th ANNIVERSARY" ¥14,800 [税別]



A-1 CLOTHING
03-6427-7943
http://shop.a-1clothing.com/

mita sneakers
03-3832-8346
http://www.mita-sneakers.co.jp/


MAGIC STICK #TODAYSKICKS TAG MAT "mita sneakers"
580 20th11.jpg
¥10,000 [税別]

MAGIC STICK
03-6434-5504
http://www.magicstick-xxx.com/

mita sneakers
03-3832-8346
http://www.mita-sneakers.co.jp/

  • 1