新宿の場外馬券場のほど近くに、偶然にも馬とレースを連想させる名前の美容室がある。もうすぐオープンして4年が経とうとしている「ザ ダービィ」がそれだ。オーナーである荻堂譲二さんは、表参道の大手美容室でキャリアを積んだ後に独立。”ダービィ”という言葉の持つ、此処一番の大勝負という意味から店の名前を命名したという。現在では、国内外問わず多くのブランドのルックやカタログでもヘアメイクを手がけている荻堂さんにとって、仕事のときの大事なパートナーとなっているのが「グレゴリー」の「TAILMATE(テールメート)」なのだとか。
「ヘアメイクとして現場に出るときは、必ずこのカバンを持っていますね。ボロボロなんですけど、中に細かな仕切りがないところが本当に使いやすくて。なんでも入れて使っているんですけど、サイズが絶妙に良いんですよ。撮影現場で使うので、雨ざらしにもなったりするタフな使い方なんですけど、一度も壊れることもなくずっと愛用しています。たしか高校1年生のときに、当時付き合っていた彼女からプレゼントしてもらったものなので、かなり長いこと使い込んでますね」
この日紹介してくれた「TAILMATE」以外にも、いまだに高校生の時に手に入れた「グレゴリー」のバッグを愛用されているという。例えば「DAY PACK」 であれば、ちょっとした旅行のときに大活躍をしているのだそう。
「当時は古着が流行っていて、先輩たちもグレゴリーのアイテムを格好良く持っていたので本当に憧れのアイテムでした。当時は古着が流行っていたんですけど、自分としてはグレゴリーをそういうアイテムとして捉えてはおらず、その時の最新のブランドのものを使っている感じのテンションでしたね。このバッグを現場で使っていると、最近になってまたよく褒められることが多いんですよ」
ブランドとしても確固たるイメージを築いており、ファッションに興味を持ったことのある人であれば誰もが一度は手にしたことがあるであろう〈グレゴリー〉のアーカイブアイテムに、今また注目が集まっている。それは、ここ数シーズン”90年代”というテイストが盛り上がっている流れのなかでは、必然とも言える話だろう。
「今って洗練されたシティ派のものが流行っているじゃないですか。そういうアイテムも好きなんですけど、そこにグレゴリーみたいな温度のあるブランドを合わせるっていうのが、今の時代にちょうど良いんじゃないかなって思いますね。自分もモノトーンの洋服ばっかり持っているので、このいかにもアウトドア然とした発色のカラーリングがポイントになってくるんです」
荻堂さんがバトンを回すのは、「ビームス プラス」のディレクターを務める溝端秀基さん。乞うご期待!
バッグ : グレゴリー(私物)
カットソー:セントジェームス(私物)
パンツ:ルール(私物)
サンダル: チャコ(私物)
ソックス:ザ ダービィのオリジナル(私物)
時計:カシオ(私物)
指輪、バングル:全てノベック(私物)
Photo_Tatsunari Kawazu
Edit & Text_Maruro Yamashita