「中学生の頃に古着やアメカジが凄く流行っていて、そのブームにどっぷりと浸かったまま古着の世界に足を踏み入れ、いろいろと着て見ていくうちに、それぞれのモノの良さや面白さ、風合い、作りの良い意味での雑さなどにどんどん魅力を感じるようになっていきました。そうなるとやはり新品のアイテムにはあまり惹かれなくなってきて、さらに古着にのめり込んでいきました」
そう語る「へイルメリー トレーディング」の店長兼バイヤーを務める大野さんは、古着屋から現職の前身である「ラギッド ミュージアム」での勤務を経て現在に至る。広い洋服業界の中でアメカジがより身近な存在だった彼にとって、〈グレゴリー〉との距離の近さは、もはや必然だった。
「グレゴリーは、僕らの世代にとっては本当にずっと身近にあるもの。中学生の頃に行った旅行で、洋服を大量に買って、それを持ち帰るためのカバンとして「Duffle Bag(ダッフルバッグ)」を購入したのが初めてで、それからいろいろなモデルを使ってきました。
でも、ずっと所有しているだけで、グレゴリーを使わない時期もあったんです。そんな時にこのメッシュトートバッグが引っかかったんですよね。良い意味で”らしくない”のが新鮮で。最初は海用に買ったんです。濡れた衣類を入れても気にならないし、流木とかを拾いに行く際に大きさも便利そうだなと思って。そしたら、次第に夏場は普段使いする様になっていましたね。メッシュになるだけで、良い塩梅の抜け感が出て、堅苦しくならないのが気に入ってます」
肩の力が抜けたプロダクトであったとしてもブランドとしてのクラフトマンシップは貫かれており、随所に配置された気の利いたポケットワークや、サイズ感のちょうど良さ、そして言わずもがなの耐久性の高さ。数々の名品を手にしてきた大野さんが愛用するプロダクトには相応の理由があり、それは時代毎にアップデートされているのだ。
「最近リリースされたモデルだと思うんですけど、コーデュラデニムを使った新しいモデルが気になっています。昔だったらやはり古いものを追いかけていたんですけど、今は逆に新しいものの方が面白いかなって」
大野さんがバトンを回すのは、美容室「ザ ダービィ」の代表を務める荻堂譲二さん。乞うご期待!
バッグ : グレゴリー(私物)
シャツ:ギットマン ヴィンテージ × ザ ダービィ(私物)
パンツ:エンジニアド ガーメンツ(私物)
シューズ : ヴァンズ(私物)
キャップ:70’sのヴィンテージ(私物)
Photo_Yuichi Akagi
Edit & Text_Maruro Yamashita