「ユナイテッドアローズ」社の人事部に10年以上勤め上げ、現在ではフリーランスとして、商業施設をはじめ大手セレクトショップ、アウトドアブランドにおいて、人材育成支援を請け負っているという飯嶋聡さん。実家がニット製造工場を営んでいたという飯嶋さんは、生まれた頃からファッションが身近な存在であり、ファッションの好みも、根本にあるものは当時から変わっていないのだとか。
「やっぱり僕は伝統的なファッションが好きですね。女性だったら永遠のテーマであるエレガンス。男だったらトラッド系。ボートハウスのトレーナーまでは流石に遡らないですけど、ミウラ&サンズ(現SHIPS)のチノパンだよ! っていうときはちょうど大学に入ったくらいで、足繁く通っていました。その頃は、カラス族!? みたいなのも流行りはじめてましたが、やっぱり僕は、ボタンダウンシャツにレジメンタイを締めてチノパンを合わせる格好が好きでした。好きなファッションはずっと変わらないです。グレゴリーが日本に入ってきたときは、現在のように街中でザックが浸透するとは思ってもいなかったんですよね」
この飯嶋さんの発言は、今でこそアウトドアブランドのアイテムをデイリーな着こなしに取り入れるということは至極当たり前のこととして定着しているが、かつてはアウトドア用のアイテムと、街中での服というものが厳然と分かれていた時代があったということを思い出させてくれる。
「もちろんフィールドにはこのようなザックが必需品ですけど、街中で使用するのは想像できませんでした。で、先輩が”茶タグ”のアイテムをたくさん持っていて、お下がりでデイパック(Day Pack)ひとつ貰ったんですよ。それを自分でも使ってみるようになったらすぐに理解できたんですよね。結局、使いやすさっていうのは、街中でもフィールドでも一緒なんだということが。それに、今じゃ多くのセレクトショップが当たり前のようにアウトドアブランドを展開されていますけど、その先駆けになったのがグレゴリーじゃないですか。本当にパイオニアだと思います」
そして、飯嶋さんが撮影当日に持参してくれた〈グレゴリー〉のキッカー(Kicker)。こちらもデイパック同様、先輩から2年ほど前に譲り受けたアイテムであり、その防水性の高さやデザインから、飯嶋さんは、もっぱら30年以上の趣味であるサーフィンの相棒として活躍しているのだという。
「グレゴリーに関しては、裾野を広げすぎるんじゃなくて、ストイックに掘り下げていってもらいたいなーという風に個人的には思いますね。ブームにならなくても良いから末永く。あとは、グレゴリーのプロダクトを使った体験教室のような、フィールドを使った企画とか。”モノ”だけじゃなくて”コト”にも期待していきたいですね」
飯嶋さんがバトンを回すのは、「ヘイルメリートレーディング」の店長を務める大野賢臣さん。乞うご期待!
バッグ : グレゴリー(私物)
アウター: ユーズドの米軍(私物)
Tシャツ:ジャムズ × ディズニー(私物)
ショーツ:パタゴニア(私物)
シューズ : アサヒシューズ(私物)
ハット:パタゴニア(私物)
サングラス:カネコオプティカル × ビューティー&ユース(私物)
Photo_Tatsunari Kawazu
Edit & Text_Maruro Yamashita