アメカジブームが少し落ち着き、音楽やスケボーなどのストリートから生まれたカルチャーが日本の街中のファッションにも大きな影響を及ぼすようになった90年代中頃から後半にかけて、総合格闘家の宇野薫さんが〈グレゴリー〉というブランドの魅力を伝える一翼を担っていたのは間違いない。ファッションと格闘技の関係が今よりも少し近かった当時、多くのストリート系のファッション誌において幾度となく紹介されていた宇野さんのファッションに対する審美眼の素晴らしさは、多くのキッズに影響を与えていた。
「自分がグレゴリーに興味を持ったのは、高校生の時に古着に興味を持つようになって、それに合うカバンを探し始めたのがきっかけなんです。でもそこには、当時BOON(当時絶大な影響力を持っていたファッション雑誌)の誌面に出ていた人たちからの影響がありました。自分の年齢ともそんなに変わらない人たちだったんですけどね。あの頃の代々木公園のフリーマーケットは異様なくらいの雰囲気で盛り上がっていて、そこに集っているオシャレでかっこいい人たちは皆グレゴリーを持っていました。その頃から20年以上グレゴリーを愛用しています。自分がきっかけでグレゴリーに興味を持った人がいるなら、それはとても嬉しいですね」
当日使用していた「BOULEVARD DUFFE(ブールバードダッフル)」をはじめ、バックパック類からウェストバッグにポーチなど、あらゆるタイプの〈グレゴリー〉のアイテムを収集されているという宇野さんにとっては、鞄のベーシックこそが〈グレゴリー〉だという。
「こういうクラシックなライフスタイル・ラインのアイテムだったらどんな格好にも合わせやすい。もちろん、現代的な服装に合わせやすそうな新しいプロダクトがたくさんあるので、選んで合わせることも楽しめる。そうやってどんどん進化してるところにグレゴリーの凄さを感じるんです。最近の古着市場だとグレゴリーのヴィンテージの値段が少し買いやすくなって来ているので、古着屋さんやフリマで昔欲しかったモデルや状態の良い物をまた探しています。個人的に今グレゴリーで一番気になっているのがトレイルラン系のアイテムなんです。よくランニングをするので、どんな使い勝手なのか興味があります。それに、グレゴリーの鞄だったら、他のスポーツブランドのランニングウェアと合わせても大丈夫だから使いやすいですよね。異なるスポーツブランドのアイテムをミックスするコーディネートってあまり得意じゃないので(笑)」
宇野さんがバトンを回すのは、ビームス ゴルフのディレクターを務める西脇晢さん。乞うご期待!
バッグ : グレゴリー(私物)
トップス :ワンハンドレッドアスレチック(¥18,000+tax/UCS)
パンツ:ナルトトランクス(私物)
キャップ:ワンハンドレッドアスレチック × ニューエラ(¥7500+tax/UCS)
腕時計:スント(私物)
メガネ:アヤメ(私物)
シューズ : アディダス(私物)
Photo_Yuichi Akagi
Edit & Text_Maruro Yamashita