趣味のアウトドア遊びが高じて、キャンプサイトの空間スタイリングからアウトドア料理のコーディネートまで、多方面で活躍するスタイリストの平さん。彼の”DAY PACK”との出会いは、高校生のときにまで遡る。
「そのころはちょうど、’90年代のアメカジ&古着ブームの真っ只中でした。当時はヴィンテージの501®にパタゴニアのレトロX、レッドウィングのブーツを履いて、グレゴリーの”DAY PACK“を背負うというのがユニフォームでしたね。僕は天邪鬼なのであえて”TAILMATE”から入りましたが、周りはみな、”DAY PACK”を持っていました」
2度目の出会いは、専門学校を卒業し、高円寺の古着屋で働いていたとき。そのショップでは、マニア垂涎の紫タグの”DAY PACK”を数多く扱っていたのだ。 「アメカジブームにおいてはクラシックでアメリカンなデザインばかりにスポットライトが当たっていたけれど、”DAY PACK”は背負い心地の良さや堅牢性を追求した質実剛健なデイパックです。当時から、そういう機能面がもっとフォーカスされればいいのにと思っていました」
あれからトレンドが一巡りし、いままた”DAY PACK”と向き合ってみたら、むしろこのクラシックなデザインが新鮮に感じられたと話す。そして当時より年を重ねた分、自身のなかで”DAY PACK”を合わせたスタイリングやその用途が変化していることも感慨深かった。
「当時とデザインが変わらない”DAY PACK”だからこそ、現行モデルがおすすめです。現行はPCスリーブや小物を収納できるメッシュポケットも付いていて断然、便利。古いものは素材のヘタレやヨレが出てくるので、大人になると使いづらいかもしれませんね」
「ブランドのスピリッツはそのままに、時代性を受けてどんどんアップグレードされていくプロダクトが好み」という平さんにとって、使い勝手に配慮した仕様やディテールの変更は嬉しい限り。 「昔に生まれたものだからといってそこに固執せず、現代のニーズを受けて新しい機能が付け加えられていく。それこそが『現代のギアの有り様』だと、僕は思っています」
バッグ:グレゴリー(DAYPACK)
その他:私物
Photo_Masami Sugisaki
Text_Ryoko Kuraishii