インテリアからファッション、フードスタイリングまで、ライフスタイルにまつわるシーン全般のスタイリングを手がけるスタイリストの田中さん。学生時代から愛用しているという、ほぼ20年選手の”DAY PACK”は、昔懐かしい青文字タグ。アシスタントを経てスタイリストとして独立してからも、なにかと重宝しているという定番アイテムの一つである。
「オリーブ少女だった当時、愛読していたメンズ誌の影響で”DAY PACK”を買いました。アウトドア仕様のデイパックを選ぶとしたら、3ブランドくらいしか選択肢がなかったんですが、なかでもグレゴリーがいちばん本格的なイメージがありました。セントジェームスのボーダーを着てスウェットパンツを履いて、『オリーブ』を入れた”DAY PACK”というのが、当時の私の通学スタイル」
「タフでヘビーデューティー」がウリの”DAY PACK”はその謳い文句通り、今でもバリバリの現役選手だ。フロントの穴はブルーの刺繍糸でかがり、壊れかけたジッパーは刺繍糸と安全ピンで応急処置が施してある。ナイロンもヘタり、四隅はほつれているけれど、背負い心地の良さや使い勝手の良さは当時のまま。2代目の”DAY PACK”を購入したこともあったが愛着のあるこちらにはかなわず、結局手放してしまったという。
「いまのバックパックはポケットをあちこちにあしらって『機能性』を謳ったデザインが多いけれど、フロントポケットのみ!という、昔ながらの潔いデザインが好み。なによりも”DAY PACK”のスゴいところは、いつの時代も決して古臭く感じさせないところでしょうか。しばらく使わない時期があっても、久々に持ってみるとやっぱりしっくり馴染むから不思議です」
バッグ:グレゴリー(DAYPACK)
その他:私物
Photo_Masami Sugisaki
Text_Ryoko Kuraishii